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八村塁の強気のメンタリティーこそ、
“挑戦者”日本バスケのラストピース。
posted2019/08/31 09:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Kiichi Matsumoto
国際大会に臨むうえで、最高の心理状態とはどのようなものだろうか。
来年の東京オリンピックのバスケットボールの会場となる、さいたまスーパーアリーナで日本代表は8月22〜25日にかけて3つの強化試合を戦った。とりわけ、24、25日の土日に行われた2試合はともに1万8000人を超える観客が集まり、期待感でアリーナが満たされていた。
「強豪国と試合ができるというのは、本当にありがたいです。良い経験が積めると思いますから」
キャプテンの篠山竜青がそう語っていた3連戦の結果は以下の通りだ(カッコ内は、国際バスケット連盟のFIBAによるランキングで、日本は48位)
8月22日(木)
アルゼンチン戦(5位)●93−108
8月24日(土)
ドイツ戦(22位)○86−83
8月25日(日)
チュニジア戦(51位)●76−78
「80点前後の試合になる」
もっとも、これらは8月31日に中国で開幕するワールドカップ(以下、W杯)という、大きな大会を前にした親善試合である。目的は勝つことではなく、自分たちの課題と向き合い、成長の糧にすることだ。
実際、W杯予選のような公式戦とは異なり、相手チームの分析と対策も、試合当日の朝に取り組むくらいだったという。フリオ・ラマスHC(ヘッドコーチ)もアルゼンチン戦のあとにこう話している。
「W杯ではこのように100点の奪い合いとなるのは全体でも数試合しかなくて、ドリームチーム(アメリカ代表)や(強豪の)セルビアのゲームくらいかなと思います。我々を含め、ほかは80点前後の試合になるのかなと思います。ですので、80点以上とられないようなチームになるために、これからディフェンスを修正していかないといけない」
相手の分析をしたうえで、しっかりとした対策をとれば、日本も相手も親善試合のときほどに点数を重ねるのは難しい。今回の強化試合はお互いが良さを出し合うなかで、試合中の修正力や対応力、チームのコンセプトの質が問われることになった。