酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
イニング平均球数わずか「12.39」。
奥川恭伸の賢さは甲子園史に残る。
posted2019/08/25 11:50
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Hideki Sugiyama
101回目の夏の甲子園が終わった。今季はいろいろと変化の見られた大会だった。投手成績を中心に振り返ろう。
(1)大量得点試合の増加
過去5年間、15点以上の得点があった試合は以下の通り。
<2015年>
1回戦 鹿児島実18-4北海
2回戦 花咲徳栄15-3三沢商
<2016年>
1回戦 東邦19-9北陸
<2017年>
1回戦 仙台育英15-3滝川西
<2018年>
1回戦 日大三16-3折尾愛真
<2019年>
1回戦 仙台育英20-1飯山
2回戦 敦賀気比19-3国学院久我山
3回戦 作新学院18-0岡山学芸館
準々決勝 星稜17-1仙台育英
今季は大量得点の試合が非常に多かった。通常、大差のつく試合は1回戦で見られることが多いが、今年は準々決勝でも星稜が仙台育英に16点差をつけて勝った。
金属バットの打球が速すぎる、とも。
今年は8月10日の1回戦、岡山学芸館と広島商の試合で、岡山学芸館の先発、丹羽淳平が広島商の3番・水岡嶺の打球を顔面に受け、病院へ搬送された。
関係者からは「金属バットの打球が速すぎる」という指摘が出ていた。体格の向上や筋トレの普及もあり、打線のパワーアップが目立つ。上位から下位までパワーヒッティングで、当たりだしたら止まらない打線によって大量得点試合が増えたと考えられる。