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桃田賢斗が語る『桃田の見方』。
群雄割拠の時代を勝ち抜く術。
posted2019/06/09 17:00
![桃田賢斗が語る『桃田の見方』。群雄割拠の時代を勝ち抜く術。<Number Web> photograph by Yuki Suenaga](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/1/e/1500wm/img_1e084f00a4a21ef4235d32033eda63ae307356.jpg)
昨年9月から世界1位の座を守り続けている桃田。今後はジャパン・オープンや世界選手権が控えている。
text by
![雨宮圭吾](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/9/c/-/img_9c0c3cc559ce2f9e434c1160e5b3707c9124.jpg)
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph by
Yuki Suenaga
スポーツの世界には攻撃は最大の防御という言葉があるが、守ることから始まる強さというものも間違いなく存在する。
例えば無敗で王者のまま現役を終えたボクシングのフロイド・メイウェザー(米国)がいる。同選手の引退試合で対戦したアンドレ・ベルト(米国)は「普通のボクサーはまず攻撃することを考えるがメイウェザーは守ることを考える」とメイウェザーの特異性について語っていた。
持ち前の突進力が通じずにKO負けを喫したリッキー・ハットン(英国)は「イライラが募っていって、メイウェザー相手に冷静さを失えばその先に待っているのはKOだけだった」とのちに振り返った。
男子テニスの世界1位、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)の場合も、まさに鉄の壁のごとくどんなボールも打ち返す守備力が強さの根幹にある。2014年のツアー最終戦で対戦した錦織圭が、王者を追い詰めながらも自分からリズムを手放して敗れてしまった試合があった。
「チャンスを取れずに焦ってしまった。このままでは勝てないと思って自分のテニスを変えてしまったのが敗因。無理をしなくてもチャンスは生まれたはずだったのに」
この時、錦織に判断を誤らせ、無理を強いたのは王者の隙の無さであり、普通のことをやっていては勝てないという強迫観念だった。
バドミントン世界1位も、守りの男。
「相手のウイニングショットだったり、得意なショットをしっかり動いて返しながら、じわじわと、打つところを潰していくのが自分のスタイルかな」
東京都調布市にあるNTT東日本バドミントン部の練習場。自らの理想のプレーを語る世界ランキング1位の男の言葉を聞いて思い浮かぶのは、そんなメイウェザーやジョコビッチのような堅牢強固な王者のイメージだった。桃田賢斗の言だ。