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桃田賢斗が語る『桃田の見方』。
群雄割拠の時代を勝ち抜く術。 

text by

雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

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photograph byYuki Suenaga

posted2019/06/09 17:00

桃田賢斗が語る『桃田の見方』。群雄割拠の時代を勝ち抜く術。<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

昨年9月から世界1位の座を守り続けている桃田。今後はジャパン・オープンや世界選手権が控えている。

国別対抗戦で対戦した世界2位の中国人。

 5月に行われた男女混合の国別対抗戦「スディルマンカップ」でも同世代のライバルと激闘を繰り広げた。

 インドネシアとの準決勝で対戦したのは、昨年2連敗を喫している23歳のアンソニー・シニスカ・ギンティンだった。スピードと柔軟性があり、ネット際での攻防にも長けた相手、細かなフェイントや駆け引きを巡らせながらもどうにかストレート勝ちを収めた。

 決勝の中国戦は進境著しい23歳、世界2位の石宇奇(シー・ユーチー)だった。桃田が敗れれば日本の負けが決まる瀬戸際の試合。

 第1ゲームは桃田が持ち前の機動力とネット際のヘアピンショットなどを駆使して先取したが、第2ゲームからは形勢逆転。攻撃のテンポを速め、精度の高い強打を連発してきた石宇奇に守備を突き破られた。

団体戦はメンタル的なスタミナが必要。

「先行されてしまうと厳しいかなと思ったので、勢いに乗らせないように1ゲーム目の前半からしっかりスピードを上げていった。だけど団体戦の連戦で想像以上に疲れていて、そのスピードが続かなかった。最後はそこでメンタル的なスタミナも切れてしまったかな。個人戦ならもう少し気楽に開き直って打てるショットもあったと思うけど」

 日本のエースとしての重責は敗戦の要因の1つとなったが、おかげで得られたものもあった。

 一時の苦しい期間を経て復帰した桃田は、昨年の世界選手権優勝などでまたたくまにランキングを戻し、復帰から1年間で日本男子初の世界1位に上り詰めた。加えて、今年3月には100年以上の歴史を誇り、バドミントン界では最高峰の権威がある全英オープンで初優勝を飾った。

「ずっと獲りたいと思っていたタイトルだったので、それからはいまいち気持ちが上がってこなかった。競った場面でもあまり燃えてこなくて、集中して1人の世界に入っているのではなく第三者が見ているような感じだった。簡単にミスしてはいけないところでコロッとミスすることがあった」

【次ページ】 国を背負うことが心の張りに?

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