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安部裕葵がU-20W杯で狙うもの。
欧州移籍と「満男さんの代」越え。

posted2019/04/20 08:00

 
安部裕葵がU-20W杯で狙うもの。欧州移籍と「満男さんの代」越え。<Number Web> photograph by Naoki Morita/AFLO SPORT

今季から鹿島で10番を背負うなど、経験を積んでいる安部裕葵。U-20代表では中心選手として活躍が期待される。

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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Naoki Morita/AFLO SPORT

 ポーランドで5月から開催されるU-20W杯に向け、国内合宿が終わった。

 久保建英をはじめ、数人がチーム事情で参加ができないメンバーもいたため、いわゆる選考合宿にあたる。最終日には全日本大学選抜との練習試合が行われた。

 その試合で良さを見せていたのが鹿島アントラーズの安部裕葵だ。今回集まった選手の中では、所属クラブでレギュラーとしてプレーしている数少ない選手である。

 合宿初日となった14日に安部はFC東京戦に出場しており、翌15日はクールダウンが中心でセットプレーの確認のみ。最終日の練習試合も45分のみの出場に終わった。だが、Jリーグで試合に出ているためか他の選手よりもコンディションが良く、PKでゴールを決めるなど存在感を示した。

 攻撃面での連係が噛み合わず改善までに少し時間が必要には見えたが、安部自身はそれほど不安を感じていないと言う。

「今回初めて会う選手もいるけど、ほとんどが何度もやっているし、どういう特徴の選手なのか分かっているんで、僕の中でプレーの迷いはないです。攻撃の面で僕のアイデアをもっと共有できればいいかなと思いますけど感覚的なものですし、しゃべるだけで解決することもあるので大丈夫です」

 五輪を除く世代別代表では、チーム作りにそれほど潤沢な時間を使えるわけではない。それでもなんとかチームらしくなっていくのは、選手が同世代であり、それ以前からお互いを知っているからである。そして本格的に攻守の連係が密になってチームの完成度が高まるのは、大会に入り試合を重ねてからだ。安部もそれを理解しているので、今から不安がっても仕方ないという思いがあるのだろう。

キャプテンマークを巻いた安部。

 安部はこの日、10番を背負いキャプテンマークを巻いてプレーした。ただ、必要以上に重荷には感じてはいないようだ。

「キャプテンとしては、チームがうまくいかないサイクルに入った時に声を出して、いい流れになるようにやるのが役割だと思うんですけど、みんな精神的にしっかりしているので僕が面倒を見ることはないし、逆に僕が面倒を見てもらうこともある。頼もしい後輩がいるんで、やりやすいです」

 そう言って、どっしりとした落ち着きと余裕のある笑みを見せた。

【次ページ】 久保建英の招集は不透明。

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