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安部裕葵がU-20W杯で狙うもの。
欧州移籍と「満男さんの代」越え。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byNaoki Morita/AFLO SPORT
posted2019/04/20 08:00
今季から鹿島で10番を背負うなど、経験を積んでいる安部裕葵。U-20代表では中心選手として活躍が期待される。
久保建英の招集は不透明。
気になるのはメンバー選考だ。
今回、この世代のエースと目される久保は合宿に参加できなかった。本大会でも、久保が参戦できるかどうかはまだ分からない。この世代の大会は選手が望んだところで、クラブ事情などによって参戦できないこともしばしばある。
そういう事情を安部も理解している。
「久保くんはうまいですし、プライベートでも一緒にトレーニングしている。そういう選手と一緒にプレーできるのは楽しみですけど、どんな選手が来ても僕がやることは変わらないです」
各国のスカウトが集まるU-20W杯。
全日本大学選抜との練習試合では、生き残りを賭けた選手がギラギラしたものを見せていた。野心を持つ選手にとって、U-20W杯は重要な大会になる。前回大会で活躍した堂安律がオランダ移籍を実現させたように、若手の「国際見本市」でもある。もちろん安部も、その意識は強い。
「自分も世界を目指している。この時代はそこを目指すのが当たり前といってもいいぐらいです。日本の先輩が築き上げてくれた環境なので、それぞれが目指すべきだと思うし、自分自身ががんばることで鹿島アントラーズというチームの名前を広めることも可能だと思っています」
さらに今大会は欧州・ポーランドでの開催だ。各国クラブのスカウトが集まることが予想され、活躍すれば海外移籍への道が一気に開ける。
「周囲の選手はモチベーションが上がるかもしれないですけど、僕は変わらない」と安部は話すが、世界を目指している以上、チャンスをモノにしようと静かに気持ちを高ぶらせているに違いない。それはプロサッカー選手であれば当然の欲求だ。
「(U-20W杯は)世界中のいろんな人が注目していますし、若い選手だけでそういう大会を行えるということは楽しみですし、これから未来につながることでもあります。日本代表の若い選手が世界に向けてどういったアピールをするのか、どのくらい力を発揮できるのか、これからの日本サッカー界にとって重要な大会になると思います」