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森保Jの新たな挑戦を告げるリスト。
13人もの入れ替えがなぜ可能に?
posted2019/03/15 11:50
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
Asami Enomoto/JMPA
みなさん、こんにちは。
サッカー日本代表の親善試合、コロンビア戦(22日、日産スタジアム)、ボリビア戦(26日、ノエビアスタジアム神戸)のメンバー23人が発表されました。南米勢との2連戦。アジアカップから1カ月半が経ち、今回の試合の位置づけは招待された6月のコパ・アメリカ(南米選手権)に向けた前哨戦となります。
森保一監督はアジアカップからメンバーを13人も入れ替えました。その狙いについて、私なりの解釈を説明させていただきます。
アジアカップのパフォーマンスが今ひとつだと思えた選手を入れ替えたのかと聞かれれば、そうではありません。
外れた選手を挙げてみると、権田修一、長友佑都、吉田麻也、槙野智章、塩谷司、酒井宏樹、青山敏弘、原口元気、遠藤航、伊東純也、大迫勇也、武藤嘉紀、北川航也の13選手。多くの選手が何らかの事情を抱えています。
まず権田と伊東はアジアカップ後に海外移籍に踏み切ったばかり。大迫、長友、遠藤、青山はケガを抱えています(またはケガからの復帰過程にある)。吉田と原口は、所属チームが残留争いに巻き込まれていて、武藤は出場機会に恵まれていない状況です。
特に海外組はシーズン中の1月にアジアカップで約1カ月、拘束したこともあってクラブへの配慮も見え隠れします。酒井はマルセイユでバリバリ働いていますが、力量は十分に分かっているから、ということでしょう。
主要メンバーを呼ばない決断。
非常に勇気がいる決断だったと感じます。日本代表の歴史を振り返れば「主要メンバーは継続して招集する」のが基本でした。特に近年は強化できる日程が短くなっており、たとえばアルベルト・ザッケローニもヴァイッド・ハリルホジッチも、戦い方のコンセプトを共有するメンバーを固めていきながら、新たに何人かの選手を加えてチームづくりを進めていきました。
3月の2連戦に招集しなければ次の親善試合はコパ・アメリカ直近の6月まで待たなければなりません。つまりアジアカップ決勝から4カ月も空くことになります。
秋にはカタールワールドカップのアジア予選もスタートします。チームづくりという観点に立てばキャプテンの吉田を筆頭に、チームをけん引している主要メンバーを呼ばないという選択肢がどれほど難しいか、お分かりいただけるのではないでしょうか。