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<地方大会最大の戦い>
大阪桐蔭に、ライバルはいるか。
text by

柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph byKiichi Matsumoto
posted2017/08/10 17:00

額(ひたい)から吹き出た汗を拭ぬぐおうともせず、目を充血させた敗軍の将は「120%の力を出してくれた」と、真っ先に選手を讃えた。
「今年のセンバツ決勝で大阪桐蔭に負けた時は3対8で、今日(7月29日)は4対8。1点ようさん点を取れたという意味では日本一のチームとの差は縮められたのかもしれません。全国から注目されたカードでしたけど、大阪のレベルの高さが伝わる試合内容だったのではないでしょうか」
履正社を率いて30年となる岡田龍生(たつお)は、この夏の大阪大会準決勝で対戦したライバル・大阪桐蔭との実力差を潔く認めた。2000年代に入って、大阪の「二強」を形成してきた両校だが、春夏通算6度の甲子園制覇を誇る大阪桐蔭に対し、履正社の日本一は、昨秋の神宮大会が初めて。全国制覇の回数で大きく水をあけられ、史上初めて大阪勢同士の対決となった今春のセンバツでも、やはり大阪桐蔭に軍配が上がった。
岡田を囲む記者たちは、誰もあの話題に触れようとしなかった。この敗戦によって、履正社は夏の大阪大会に限れば、大阪桐蔭に10連敗である――その現実をぶつけた。
「監督が悪いんやろうね、辞めなあかんとちゃいますか(笑)。能力のある子が入学してくれているのに、10連敗するというのは監督の責任でしかない。普段の練習も含め、何かを変えないといけないんでしょう」
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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