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山岡泰輔が見つけた「1つ上のギア」。
オリックスのエースにまた一歩前進。

posted2018/09/07 07:00

 
山岡泰輔が見つけた「1つ上のギア」。オリックスのエースにまた一歩前進。<Number Web> photograph by Kyodo News

いかにプロでも、体験して分かることはある。山岡泰輔は中継ぎの経験を先発の能力に見事に転化して見せた。

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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Kyodo News

 7月まで2勝10敗と苦しんでいたオリックス2年目の山岡泰輔が、8月は前半戦が嘘のように白星を重ね、現在3連勝中だ。

「投げている球自体は(前半戦と)変わらない」と捕手の山崎勝己や若月健矢は言う。では、何が変わったのだろうか。

 きっかけは中継ぎへの配置転換だった。

 ルーキーイヤーだった昨年は開幕からほぼシーズンを通してローテーションを守り、8勝11敗で終えた。今季も開幕から先発ローテに入っていたが、4月22日を最後に12試合勝ち星から遠ざかり、8月1日の東北楽天戦で、プロ入り後初めてリリーフ登板した。

 山岡は、別にたいしたことじゃないといった様子でこう話した。

「まあ言ってみれば先発をクビになっての中継ぎなので、そこは悔しかったですけど、先発だろうが中継ぎだろうが、行けと言われたらどちらでもいい。投げられないことが一番嫌なので」

どちらでも結果を出すのが「一番かっこいい」。

 山岡自身は昔から、自分は中継ぎタイプだと思っていたと言う。

「肩が張るということがないし、ノーアップでも投げられるので、体的に中継ぎが向いていると思うし、1点も取られちゃいけないという場面で投げるあの緊張感も楽しい。ただ、自分は長い回を投げたいので、先発が好きだというだけです。

 先発は長く投げられるので、その分考えられるのがいい。その試合のことだけじゃなく、次のゲーム、次のカードのことも考えながら投げなきゃいけないですから。

 例えば、その日の先発でスライダーを多めに見せておけば、次に対戦する時には相手はやっぱりスライダーを意識するわけじゃないですか。そういうところが面白いんです。

 でもそこまでこだわりはない。こだわることはいいことですけど、こだわりすぎると長くできないんじゃないかなと。先発の時は先発で結果を出し、中継ぎの時は中継ぎで結果を出すのが、一番かっこいいですよね」

【次ページ】 体験しないとわからなかった中継ぎのこと。

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