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西武の強さはスタメンだけじゃない。
「いい仕事」の機会を待つ2人の男。

posted2018/09/06 11:00

 
西武の強さはスタメンだけじゃない。「いい仕事」の機会を待つ2人の男。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

中学時代には砲丸投げで有力選手だったほど身体能力には高いものがある斉藤彰吾。6月24日のロッテ戦ではプロ11年目で初の猛打賞を記録した。

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市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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NIKKAN SPORTS

 強いチームには必ず、派手さはなくとも、「いい仕事」をする名バイプレーヤーがいる。今シーズンのライオンズで言えば、木村文紀や斉藤彰吾、熊代聖人といった選手が思い浮かぶだろう。

 前半戦、堅実な守備でチームを支えた木村に加え、斉藤は今、強打が特色であるライオンズ打線の中で、一味違う渋い働きを見せている。熊代は一軍で活躍の場を待っているところだ。

 斉藤はプロ入り11年目。今シーズンここまで50試合に出場し、2割7分3厘の打率を残している。何より3割超えの出塁率が、自分の役割を心得ていることを表している。

 ユニホームのソックスを多く見せるオールドスタイルの着こなしからも見て取れるように、守備固めや代走での出場機会が多いが、あとになって振り返ると「あの追加点が大きかった」「あの場面の出塁が得点につながった」と、バッティングでもしっかりと仕事をしている。

 的確な守備位置と打球を追うスピードの速さで、ファインプレーをファインプレーに見せないのも「斉藤らしさ」である。

「今頃そこかよって思われるかもしれないけど」

 斉藤は言う。

「試合に出るときに心掛けているのは、今、持っている自分の力を出し切ることですね。中途半端にやって後悔するより、『これをやってだめだったらしょうがない』くらいの精神状態でいます。もちろん打てなかったら悔しいし、ミスしたら悔しいのですけど、それでも“出し切って”のプレーだったら後悔も少ないはずですから」

 物静かで、淡々として見える斉藤だが、それでも今シーズンに関しては例年に比べ「気持ちを前面に出していこう」と努めているという。

「もちろんフォームなど技術的な部分はいろいろと改良してきたんですけど、今は、気持ちがいちばん大事かなと思います。周りの人からしたら『今頃そこかよ』って思われるかもしれないけれど、ここ数年、精神面の大切さを余計感じています」

【次ページ】 がっつくのはプレー中だけで十分。

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