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鷹の新1番打者・牧原大成は規格外!
“奇跡の育成世代”の遅れてきた男。
posted2018/09/12 08:00
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
Kyodo News
初球打ちの打率5割2分5厘。
ホークスの新1番打者、牧原大成が超積極打法でヒットを重ねている。
その男は突如一軍に現れた。7月8日に今季初昇格を果たすと、その日のオリックス戦(京セラ)に「8番セカンド」で即スタメン出場。するといきなり2安打の活躍し先制のホームも踏んだのだった。
打てる二塁手はチームにとって待望だった。
その頃のホークスは3位と4位を行ったり来たりのジリ貧状態。主力打者の不振が響き、脇を固める選手たちにも一定の打力が求められた。しかし、二塁手は、牧原出現までに6人もの選手が代わる代わる出場するも、こう言っては失礼だが五十歩百歩で、即マルチ安打の牧原の存在は際立つものだった。
千賀、甲斐という同期の存在。
7月16日のライオンズ戦(ヤフオクドーム)。2安打して迎えた第5打席に、右翼スタンドへ飛び込む第1号本塁打を放ってみせた。
プロ8年目にして嬉しいプロ初本塁打。
「最初は何が起きたのか分からなかった」と途中まで全力疾走でベースを回っていた。
ホームランを含む猛打賞で計3打点。試合後はお立ち台に呼ばれた。本拠地のヒーローインタビューもまた、初めてだった。
この試合、牧原はいつも以上に気合を入れて臨んでいたという。
「先発が千賀(滉大)でキャッチャーが(甲斐)拓也。育成で一緒に入った同期で、3人一緒にスタメンで出るのは初めてだったので」