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大和がついにDeNAに適応した!
FA移籍、期待、二軍、そして復活。
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byHideki Sugiyama
posted2018/09/01 11:30
阪神でレギュラーに定着した2012年から6年連続で100試合以上に出場した大和。'14年には外野手でゴールデングラブ賞を獲得。
復帰直後の評価は厳しかったが。
時間はあまりなかったというが、大和は試行錯誤を繰り返した。そして8月4日、傷が癒えた大和は一軍登録される。ただ、ラミレス監督の大和に対する評価と起用法は以前とは異なる厳しいものだった。
「一軍に昇格したのは、右打者ということと守備力を考慮してのこと。今後は外野の守備やピンチランナー、守備固めで起用を考えている。つまり、毎日試合に出場するレギュラーではなくなる」
逆境ともいえるリスタートだったが、大和はいい意味でラミレス監督の予想を裏切り、打撃で結果を見せた。
大きな変化は打撃フォームだ。二軍に落ちる以前は左脚を開き、肘の位置を高く構えるオープンスタンスであったが、一軍昇格後は左脚をピッチャー方向へ戻し、肘を落としたシンプルでリラックスしたフォームに変貌を遂げた。
ヒットを量産、長打率も倍増。
大和は「基本的には以前と一緒」と言うが、変化は明らかだった。ゾーンを広く使い、“点”ではなく“面”で捉えるバッティング。初球から積極的に振っていくこともあれば、しっかりと粘っては逆方向へ弾き返すなど大和はヒットを量産していった。
「日によってステップやボールの見方は変わります。ちょっとした変化なんですけど、自分の中で“それ”ができるようになってからはミスショットが少なくなりました。打ち損じがなくミートしきれているのが一番大きいと思います」
昇格してからここまでの期間の打率(以下データは8月30日現在)は.395、出塁率は.439と跳ね上がった。また特筆すべきは、以前は.276だった長打率が.553になったことだ。
「試行錯誤していろいろやりましたけど、結局のところシンプルな打ち方が一番合っていたということなんでしょうね」
大和は確信を込め、そう語った。