ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
大和がついにDeNAに適応した!
FA移籍、期待、二軍、そして復活。
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byHideki Sugiyama
posted2018/09/01 11:30
阪神でレギュラーに定着した2012年から6年連続で100試合以上に出場した大和。'14年には外野手でゴールデングラブ賞を獲得。
好調ぶりに監督も1番起用で応える。
好調を目の当たりにしたラミレス監督は、8月17日の広島戦で大和を1番で起用する。桑原将志の不調や神里和毅の怪我による離脱が主な理由だったが、出塁率を見てもわかるように大和はここまでリードオフマンとしての役割を十分に果たしている。
「1番はプロになってからあまり経験していないし求められることは多いんですけど、その中でしっかりと仕事はできているのかなと感じています。とにかく出塁すること。ひとつひとつの積み重ねが得点やチームの勝利に繋がっていきますからね」
そして次の言葉を強調した。
「今はすごくやりがいを感じています。とにかく試合に出られることが一番ですし、必要とされるかぎり何でもやるということです」
また守備に関しても昇格後は非常に安定し、大和らしさを存分に発揮している。
「正直なことを言えば、(人工)芝に慣れてきたということですね。うん、まあ、何もかもが慣れるのに時間がかかったなという思いはあります……」
「間違いなくチームの精神的な支えのひとり」
慣れぬ場所、新しい人間関係、そして確実な結果を求められるプレッシャー。FAで移籍をして結果を残すことのできない選手は少なくない。だが大和はその壁を越えつつある。チーム内でも信頼を得ており、求められれば若い選手たちにアドバイスを送っている。
またプレー中やベンチ内では阪神時代はあまり見せなかった笑顔も出るようになった。ともに三遊間を守る宮崎敏郎は「多くの経験をしているので頼りにされていますし、間違いなくチームの精神的な支えのひとりですね」と語る。
チームは現在3年連続Aクラスへ向け、過酷な状況下にあるが、大和は若く新しいチームメイトたちを信じている。
「たとえ負けても“また明日がんばるぞ”といった切り替えが早い。みんな明るいし、勢いさえつけば、目指す場所へ行けるはず。自分としては任された役割をしっかりとやるだけ。とにかくチームの勝利に貢献したい」
攻撃の口火を切り、守備でリズムを作る30歳のベテランは、DeNAファンが試合開始時に歌う『勝利の輝き』の中、1番打者として今日も最初に相手ピッチャーと対峙する。