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ビーチバレーのイメージカラーは黒?
斬新な方針転換で認知度アップを。
posted2018/05/29 10:30
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
JVA BEACHVOLLEYBALL
商業施設の中心に設けられたステージに、水着姿の選手がずらりと並ぶ。
こんがりと日焼けした集団の登壇に、買い物客は何が始まるのかと足を止め、スマートフォンのカメラを向けた。
4月26日、東京・池袋の商業施設にてビーチバレーボールの公開記者会見が開催された。4月28~29日に東京で行われた『JVAカップ兼アジア競技大会代表チーム選考大会』に向け、出場権を争うトッププレーヤー男女14名が会場に集結した。都心での会見とあって新聞社、Webメディアやテレビ局など10社近い媒体も集まった。質疑応答からフォトセッションに至るまでを一般客に公開するのは、ビーチバレーボール競技としては初の試みだという。
公益財団法人日本バレーボール協会専務理事の八田茂は語る。
「今年からビーチバレーの大会の広報、演出、装飾に力を入れ直そうと決め、外部のスタッフを呼んで組織を作りました。そのスタッフとのディスカッションの中で、公開記者会見を開くことが決まりました。ビーチバレーはなかなかメディアで取り上げてもらえないという自覚が、我々にも選手にもある。これはいい機会だと感じて、選手も協力して集まってくれました」
五輪でビーチバレーの観客をどう増やす?
昨年8月、八田が専務理事に就任したのと同時期に、東京オリンピックにおけるビーチバレーの観客動員をどう増やすかという議題が協会内で持ち上がった。
「2012年のロンドンオリンピックも、2016年のリオデジャネイロオリンピックでも観客動員が最も多かった競技はビーチバレーボールです。そのビーチバレーを2020年、日本でもしっかり動員してくれと国際バレーボール連盟から強い要請をいただきました。協会としてもどうやってビーチバレーを盛り上げていくか考え、改革を進めることとなりました」(八田)
元ビーチバレーボール事業本部長であり、現在は公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会種別マネジャーを務める桐原勇人は経緯を語る。
「昨シーズンまでビーチバレーボールの事業本部長だった僕の職責は強化と大会の運営でしたが、他にもビーチバレーと名前のつくものはなんでもやるという感じでした。しかし、八田専務理事が来られて役割分担を明確にした。強化は現場で強化スタッフがやる。では認知度を上げるにはどうしたらいいかと考えたときに、大会を運営するだけではなく、大会をやっていることを世の中にアピールしていかなければならないという結論に至りました」