バレーボールPRESSBACK NUMBER
ビーチバレーのイメージカラーは黒?
斬新な方針転換で認知度アップを。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byJVA BEACHVOLLEYBALL
posted2018/05/29 10:30
メインコートのネットとラインを黒にするなど、一目で会場を認識し、快適に観戦できるスペース作りを行っている。
認知度アップへ外部のプロに頼んだ。
これまでも、認知度を高める必要があるとはわかっていたが、「では、どうしたら実現できるのかという部分までは考えが及ばなかった」と桐原は振り返る。
「それならば外部の、その道のプロに頼もうという話になったのです。一歩踏み出して、今年はその予算をしっかり取り、得意な人に任せましょうと決まったのがこのプロジェクトの始まりでした」
エンターテイメントの演出、Web・イベント制作などを得意とする船山浩平、ブランド構築のプロである江口貴弘、日本唯一の専門誌『ビーチバレースタイル』の編集長、吉田亜衣をプロジェクトチームに招いて、ビーチバレーボールのブランディングに乗り出した。公開記者会見はその記念すべき第一歩だった。
プロジェクトチームがまず手を付けたのが、会場装飾のリニューアルとビーチバレーボールの特設Webサイトの開設である。
ガーディアン(管理)担当の江口は言う。
「これまでの日本におけるビーチバレーのプロモーションやマーケティングは皆無に等しいと感じていました。ビーチバレーの関係者は“ファンを取り込もう”と言うのですが、僕からすれば“いったいどこにファンがいるの?”という感覚でしたね」
浅尾美和らスターが現れると露出が増えた。
一時期、朝日健太郎や浅尾美和といったスター選手が現れ、メディアへの露出が急激に増えたこともあった。昨シーズンもインドアから転向した越川優(横浜メディカルグループ)、石島雄介(トヨタ自動車)、二見梓(東レエンジニアリング)の人気もあって、観客の数もわずかながら増えている。
しかし、相変わらずスポンサー探しには苦戦している。
江口は続ける。
「大会にしても、いつ、どこでやっているのかわからない。事前の広報がないのでメディアが集まらない。メディアの露出がないので、スポンサーがつかない。プロのツアーであるにも関わらず、全くお金を生み出せていませんでした。
まずは普通の企業が当たり前にやっているマーケティングを軸に、ビーチならではのアイデンティティ、骨子を固めているところです。それが固まり、協力者が増えれば、日本の経済の輪の中にやっとビーチバレーも入っていけると思っています」