バレーボールPRESSBACK NUMBER
バレーで欧州3カ国を渡り歩いた男。
古賀太一郎、海外との向き合い方。
posted2018/05/15 17:00
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Kiyoshi Sakamoto
今年度の全日本男子チームには、今シーズン(2017/18シーズン)海外リーグでプレーした選手が過去最高の4人いる。
主将の柳田将洋、石川祐希、大竹壱青、そしてリベロの古賀太一郎だ。
今季初めて海外に出て、ドイツ1部リーグのバレーボール・バイソンズ・ビュールでプレーした柳田は、キャプテンを任され、攻撃の中心として活躍した。
その柳田に、「中堅レベルのリーグからスタートし、ステップアップの足がかりを作ったというのは、今後海外を目指す選手のモデルケースになるのでは?」と聞くと、こう答えた。
「それを言うなら古賀太一郎さんですね。あの人こそリスペクトできるし、日本人もちゃんとステップを踏めば、トップレベルのリーグでバレーができるってことを現実にしてくれている。自分がこうなってみて改めてすごいと思います」
石川も以前、同様の発言をしていたことがある。
昨年には柳田にも声をかけた。
その話をすると、古賀は照れくさそうに言った。
「自分はそんな、誰かのモデルになろうなんて思っていないし、『オレのうしろについてこい』なんて感じでもない。ただ、そういう(海外でプレーする)選択肢もあるんじゃない? というだけです」
そう言いながらも、海外に興味を持っている選手から連絡がくると、「じゃあオレのエージェントに聞いてやるよ」と親身になって相談にのる。
昨年は、古賀が契約したポーランド1部のザヴィエルチェがアウトサイドの選手を探していたため、柳田に声をかけた。
「海外に行きたいというのは聞いていたので、柳田に『オレの方から監督に言うこともできるよ』と言ったら、『もう(ビュールとの契約に)サインしちゃいました』って(笑)。タイミングは合わなかったけど、そういうところから行くチームというのは広がっていくものなんです。サポートというほどじゃないですけど、自分ができることはやります。海外に出たいという選手が増えればいいなと思うので」