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桜庭和志手がける格闘技の「団体戦」!
『QUINTET』の新しさと無類の楽しさ。 

text by

橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph bySusumu Nagao

posted2018/04/15 11:00

桜庭和志手がける格闘技の「団体戦」!『QUINTET』の新しさと無類の楽しさ。<Number Web> photograph by Susumu Nagao

ずらりと並んだ世界屈指のグラップラーたち。運営母体の代表を務める桜庭和志の存在は、非常に重要だ。

スペシャリストの圧倒的実力に酔いしれる。

 続くPOLARIS Dream TeamとSAMBO Dream Teamの1回戦はPOLARISチームの勝利。先鋒のクレイグ・ジョーンズと次鋒マーチン・ヘルドが得意の足関節技を極めまくり、3人残しての決勝進出である。POLARISとは、イギリスのプロフェッショナル柔術・グラップリングイベント。ジョーンズはそのチャンピオンであり、コアな格闘技ファンからすれば“待望の初来日”だった。

 POLARISチームは、決勝でも強さを見せつける。先鋒グレゴー・グレイシーがHALEOチーム唯一のヘビー級ジョシュ・バーネットを引き分けで“潰す”ことに成功。次鋒のダン・ストラウスは中村大介、所を極めると副将の桜庭と引き分けた。これで大将vs.中堅の闘いへ。圧倒的不利のHALEOチームはソウザが宇野薫に腕十字で勝ったものの、そこで力尽きた。優勝を決めたのは副将ジョーンズのヒザ十字固めだった。

団体戦・抜き試合では引き分けも“見どころ”に。

 桜庭やジョシュ、所めあての観戦(視聴)で、ジョーンズやヘルド、ソウザを知らなかったという人たちにも、彼ら寝技のスペシャリストは大きなインパクトを残したはずだ。“極めっぷり”で魅了するだけでなく、団体戦における役割自体が個性あるいはフックになるということもある。

「ここで、このソウザって選手が石井と引き分ければ桜庭チームの勝ちだ」と思えば、攻防を見る集中力も高まるというもの。引き分けが単なる不完全燃焼ではなくチームへの貢献になることも。それが団体戦・抜き試合の妙味と言っていい。

 団体戦での闘いは、選手にとっても新鮮だったようだ。

「チームでやると(個人戦と)違いますね、楽しかったり嬉しかったりが」と桜庭。

 宇野は「個人的には何もできなくて悔しいですけど、チームが優勝できたのは嬉しいですね。みんなで勝ち取った勝利というのは初めて味わう感覚です。1人が勝つと、チームとして盛り上がる」とコメントしている。

【次ページ】 ジョシュ「我々はUWFチルドレンだから」

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