近藤朱里のNo Challenge☆No Life!BACK NUMBER
家出少女がUFCファイターに!
近藤朱里が戦いの道を選んだ理由。
posted2018/04/12 11:15
text by
近藤朱里Syuri Kondo
photograph by
Tadashi Shirasawa
女優になりたかったのに、気づいたら本格的に戦いの道に進んでいました!
みなさんこんにちは! 総合格闘家の近藤朱里です。
子どもの頃は自分がファイターになるなんて、夢にも思っていませんでした。高校を卒業した後しばらくは舞台を中心としたタレント業をしていたのですが、ちょうど10年前、ハッスル(プロレス)のオーディションがきっかけで戦いの道に足を踏み入れました。
そしてプロレス、キックボクシング、総合格闘技とそれぞれでチャンピオンになり、昨年、世界最高峰の総合格闘技団体であるUFCと契約することができました。世界中のトップファイターが集まり、一番強い人を決める舞台、それがUFCです。
やるからには結果を出したい。世界一になりたい。日本人初のUFCチャンピオンとしてベルトを巻きたい。何より、誰にも負けたくない。
2017年9月23日にUFC日本大会(さいたまスーパーアリーナ)でデビューしました。すべて結果で左右される世界。大きな怪我をするかもしれない。すぐ契約を切られるかもしれない厳しい世界。
韓国のジョン・チャンミ選手とのデビュー戦。長年憧れ続けた舞台ですからすごく緊張しましたが、のびのびと試合ができ、何より心の底から「楽しい!」と思いました。たくさんの人に見てもらえて、たくさんの声援を受けて、幸せすぎるデビュー戦で、日本人女子としてUFC初勝利をつかむことができました。
夢と母の間で苦しんで、家出。
ではなぜ、私はこの道を選んだのか。高校卒業後の進路を決める際、「ちゃんと働かないといけない」という思いがありました。なぜなら、私の母はフィリピン人で、離婚していて女手ひとつで私を育ててくれたからです。ものすごく大変だったと思います。
女優になりたいという夢があるけど、ちゃんと働いて母を楽にしてあげなきゃ。そう考えれば考えるほど苦しくなり、私は……家出をしました。今思えば、なんてことをしたんだろうと思います。母にも心配をさらにかけてしまいました。
漫画喫茶に寝泊まりし、アルバイトで貯めていた貯金を切り崩して生活しました。その間、小さな芸能事務所に所属し、舞台に出させてもらい、女優への夢を目指しました。舞台をいくつかやって、芸能関係者が出席するパーティーに行って気に入ってもらおうと話をしたり……。