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バスケ男子代表のHCが語る仕事論。
選ぶ人か、鍛える人か、勝負師か。
posted2018/02/21 16:30
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Naoya Sanuki
2019年バスケットボールW杯へ向けた、アジア地区1次予選がまもなく再開する。2月22日には横浜国際プールでチャイニーズタイペイ戦、同25日にはアウェーのフィリピン戦が行われる。そこに向けて日本代表の最初の一歩は今年1月、熊本でスタートした。
1月14日のBリーグオールスター後、オールスターに選ばれた代表選手はそのまま現地に残り、それ以外の選手は熊本までやってきた。代表選手の多くが熊本に集まる機会を有効に生かさない手はない。そう考えたからだった。
練習を始めるにあたり、代表ヘッドコーチ(HC)のフリオ・ラマスは選手に訴えかけた。
「これから始まるのは、競争だ。今日は1対1の練習もする。練習中に笑う人がいるが、絶対に笑ってはいけない。練習の中で本気でやらないといけないんだ。ただ時間を費やしていてはダメだ!」
15歳田中らが招集される一方で。
今回の合宿では、19歳の渡辺飛勇(ポートランド大)が初選出され、中学3年生・田中力(横浜ビー・コルセアーズU15)も10月に続いて招集されている。日本バスケットボール界の中長期的な強化に向けては、非常に意義あるものだろう。
しかし、短期的な強化――つまり、W杯予選を突破するための強化は進んでいるのだろうか。
アジア地区1次予選で、日本は格上のオーストラリアとフィリピンと同じグループに入っている。4チームのFIBA(国際バスケットボール連盟)ランキングは以下の通りだ。
オーストラリア 10位
フィリピン 31位
日本 52位
チャイニーズタイペイ 57位
日本は11月の予選、ホームでフィリピンに惜敗し、W杯や五輪常連のオーストラリアにも敗れて連敗を喫した。4チーム中で3チームが次のラウンドに進めるため、予選突破が難しくなったわけではないが、チャイニーズタイペイ戦で万が一敗れるようなことがあれば、黄色信号がともる。