【NSBC補講I】 池田純のスポーツビジネス補講BACK NUMBER
2月24日にサンウルブズ開幕戦。
池田CBOが描く今季の”変化”とは。
text by
池田純Jun Ikeda
photograph byTakuya Sugiyama
posted2018/02/17 10:30
1月28日から2月10日まで別府・北九州合宿を実施。今季よりリーチマイケルも加入した。
私の中では今季が“1年目”のつもり。
しかし、正直に言いますと、今季の集客は厳しい結果になるのでは……と予測しています。
現在、報道は平昌オリンピック一色。さらにサンウルブズは3年目のシーズンですが、運営組織の意識がプロフェッショナルになりきれていない。運営する人間の中に、お客さんに楽しんでもらいたい、自分も本気で楽しみたい、という思いがなければ、ファンには伝わりません。それぞれが好き勝手に自らの領域だけを考えているようでは、組織としてベストな形になりえず、お客様第一主義になれないのです。
私の中では、今季がサンウルブズ“1年目”。まずは組織を生まれ変わらせることが最優先になります。「これまでの2年間はこうだったから……」とか、「試合日程的に厳しいから……」とかいう理由で、変化を拒む体質もあります。しかし、このように保身的な態度で、お客様に心から楽しんでもらえるでしょうか。
どんなチームでも運営組織が問題になる。
例えば、先月からのサンウルブズ合宿では、自衛隊への体験入隊、という取り組みをしていました。
ニュースにしてもらえる絶好の機会なのに、その日に限って報道陣が立ち入り禁止。本気でチームの知名度を高めたい、という思いがあれば、このような規制はしないはずです。
どんな会社でも、チームでも“弱い”とか“面白くない”、“お客様からの評価が高くない”ところには、必ずといっていいほど運営組織に問題があります。
横浜DeNAベイスターズも、私が社長に就任した直後は、ルーティンをこなしているだけでした。そこから意識をファンに向け、楽しさがにじみ出るような場所や企画を作り出すことで、5年間かけてようやくチームが変わっていったのです。
サンウルブズも同じ。まずは、意識をファン、お客様に向ける。本気で楽しんでもらえる方法を考える。運営している組織が楽しんでいる感覚がにじみ出ていく。心は伝わるんです。そうすることで、少しずつお客様にも存在を認めていただき、スタジアムが盛り上がり、チームも強くなる。
今季は、お金がなくてもできることを最大限に行います。秩父宮に来ていただければ、私の思いは伝わるはずです。