沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
凱旋門賞は歴史的名牝の独壇場か?
サトノ×池江厩舎の調整力に期待。
posted2017/09/30 08:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
AFLO
1969年、「ミスター競馬」野平祐二のスピードシンボリが日本馬として初めて参戦し、着外に終わってから半世紀弱。昨年まで延べ20頭の日本馬が出走し、'99年エルコンドルパサー、2010年ナカヤマフェスタ、'12、'13年オルフェーヴルの2着が最高となっている――。
世界最高峰の舞台、第96回凱旋門賞(日本時間10月1日23時5分、仏シャンティー芝2400m、3歳以上GI)に、今年は日本からサトノダイヤモンド(牡4歳、父ディープインパクト、栗東・池江泰寿厩舎)とサトノノブレスが参戦する。はたして、日本のホースマンの悲願は達成されるのか。
本番と同じ舞台で行われた前哨戦のフォワ賞では、サトノダイヤモンドが4着、サトノノブレスはしんがりの6着に沈んだ。かつて同じ厩舎の先輩オルフェーヴルが2年連続で楽勝したレースでもあり、サトノダイヤモンドは、日本での実績からして「勝って当然」と見られていた。休み明けで海外初戦だったことを考慮しても、ショッキングと言っていい結果だった。
これが道中明らかにノメっていたり、大きな不利があっての僅差負けだったりしたら、その課題さえクリアすれば、次走でガラッと変わることが期待できる。しかし、あのフォワ賞は「何が足りなかったのか」と訊かれたら、「すべてが少しずつ足りなかった」と答えるしかないような走りだった。
馬場か、ペースか、プレッシャーか。
だがサトノダイヤモンドは、どう考えても、あのクラスのメンバーにあっさり負ける馬ではない。何しろ、有馬記念でキタサンブラックを差し切った脚力の持ち主なのだ。その力を出し切れなかった要因――重馬場なのか、超スローペースなのか、後続からのプレッシャーだったのか、それらすべてだったのかは馬に訊いてみないとわからないが、池江調教師をはじめとする陣営は、ここまでの3週間、同じ要因に本番でぶち当たっても力を出せるよう、調整を進めてきたはずだ。