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今年も凱旋門賞は厳しいのか……。
サトノが前哨戦で直面した芝問題。

posted2017/09/11 12:30

 
今年も凱旋門賞は厳しいのか……。サトノが前哨戦で直面した芝問題。<Number Web> photograph by Kyodo News

凱旋門賞へ向けて好スタート、とはいかなかったサトノダイヤモンド(左端)。残り3週間でフランスの重い馬場に対応することはできるか。

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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 日本のホースマンの悲願達成への道のりは今年も険しくなるのか――。

 第96回凱旋門賞(10月1日、仏シャンティー芝2400メートル、3歳以上GI)と同じ舞台の前哨戦が、日本時間の9月10日夜から11日未明にかけて3レース行われた。そのひとつ、かつてオルフェーヴルが連覇したフォワ賞(現地時間9月10日、4歳以上GII)にサトノダイヤモンド(牡4歳、父ディープインパクト、栗東・池江泰寿厩舎)が出走したが、6頭立ての4着に終わった。直線入口までは余力を残していたように見えたが、本来の爆発力を発揮することはできなかった。

 サトノダイヤモンドにとってこのフォワ賞は、初の海外レースであったと同時に、天皇賞・春でキタサンブラックの3着に敗れて以来4カ月半ぶりの実戦だった。

 1番枠からの発走となったサトノダイヤモンドは、速いスタートを切り一度はハナに立ったが、僚馬のサトノノブレスを行かせて2番手にポジションを固定した。重発表の芝コースはやわらかく、キックバック(前の馬のはね上げ)が飛び交う状態で、何度かノメるような走りになっていた。

ラスト300メートルで追い出したが……。

 それでも能力の高さで持ちこたえ、鞍上のクリストフ・ルメールが手綱をがちっと抑えたまま抜群の手応えで直線に向いた。

 ラスト300メートル地点、外から後続が来るのを待って追い出した。そこから力強く伸びるのがこの馬の本来の姿なのだが、なかなか突き放せず、逆にラスト200メートル付近で次々とかわされ、4着に沈んだ。

 ルメールは「長い休み明けで、馬場も重かった。最後の200メートルは止まってしまった」とコメントした。

 2分35秒86という勝ちタイムでこのレースを制したのは、道悪巧者として知られるドイツのチンギスシークレット(牡4歳、父ソルジャーホロウ、M.クルーク厩舎)だった。1馬身半差の2着は、3連勝でGIガネー賞を制したフランスのクロスオブスターズ、3着もフランス調教馬のタリスマニック。昨年の優勝馬シルバーウェーヴは5着、サトノノブレスはしんがりの6着だった。

【次ページ】 日本より10秒ほども遅い勝ちタイム。

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