野球善哉BACK NUMBER

9回以上に、7回が勝負を分ける?
山崎康、中崎、牧田が語る継投論。 

text by

氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

PROFILE

photograph byKyodo News

posted2017/06/05 17:00

9回以上に、7回が勝負を分ける?山崎康、中崎、牧田が語る継投論。<Number Web> photograph by Kyodo News

セットアッパーとして完璧な働きを見せた山崎は、再びクローザーとしての役割を任されている。

7回からの投手交代で、流れが大きく変わることが。

 受け手である、西武の正捕手・炭谷銀仁朗が証言する。

「7回は“ラッキーセブン”というくらいですから、重要なイニングやと思います。例えば、先発投手が6回まで完璧に抑えて、7回から投手交代する試合が結構ありますよね。ああいうケースは、攻めている側としてはラッキーなことがある。先発投手を打ちあぐねていて、そこから変わるわけですから、7回からチャンスになるかもしれないと思えます。

 そこで誰が投げるのか、どういうピッチングをするのかは大事ですね。うちの場合は、7回は牧田さんが行くケースが多いですけど、先発投手とは明らかに違う球質のピッチャーですから、そこをしっかり切ってくれるので助かります。9回も大事ですけど、7回で流れを作ってくれると、いい形になります」

 確かに9回は、ゲームセットに直結する重要なイニングだ。ただそれ以上に、7回を抑えることは想像以上にチームの勝利にとって大きな意味を持つ。手作業で調べたデータの意味を過剰に評価するつもりはないが、試合を見て選手たちの声を拾っていくたび、7回の重要性をあらためて感じさせられた。

 パ・リーグの首位・楽天は、森原康平とハーマンを状態によって7、8回に起用している。西武は牧田、日本ハムは流動的だが、勝っているときは宮西尚生であることが多い。

 セ・リーグでは広島が中崎を置き、阪神は売り出し中の桑原謙太朗がその位置を確立している。DeNAは山崎やパットンが互いをカバーしあいながら務めてきた。

 止めるべきは7回――。

 クローザーばかりに目が行きがちなところから、少し目線を変えてみるのも、試合の勝敗を分けるポイントになる。

BACK 1 2 3
山崎康晃
中崎翔太
牧田和久
横浜DeNAベイスターズ

プロ野球の前後の記事

ページトップ