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メジャー時代から同じルーティン。
DeNAロペスの「変化しない」強さ。 

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日比野恭三

日比野恭三Kyozo Hibino

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photograph byKyodo News

posted2017/05/03 08:00

メジャー時代から同じルーティン。DeNAロペスの「変化しない」強さ。<Number Web> photograph by Kyodo News

4月30日の満塁弾後、筒香嘉智らと喜びを露わにしたロペス。日本野球の水が合った助っ人スラッガーとして記憶に残ることになるだろう。

ロペスとの問答はなかなかに難しい。

 4月30日のカープ戦では、満塁ホームランを放つなど2安打5打点の活躍。打率.333と打点21でいずれもセ・リーグ2位に躍り出た(4月30日終了時点)。

 試合は7-0の楽勝ムードから一転、カープに追い上げられて10-9でベイスターズが辛勝した。ヒーローインタビューを終えたロペスは、報道陣のリクエストを受けてベンチ裏の取材スペースに姿を現した。

 当然、言葉の壁もあるのだが、ロペスとの問答はなかなか難しい。

――初球をたたいての満塁ホームランでした。

「筒香が打つ時はいつもうれしい。(満塁本塁打の直前に)筒香のヒットが出て、ぼく自身もしっかり捉えることを意識して打席に入った。バッターはみんな打っているし、状態はいいね」

――例年は3・4月と苦しむが、今年は出だしから好調です。

「毎日、状態をキープできるようにと努めている。その結果、今月はいいということ。ぼくだけではなくて、ほかのみんなもいい調整をしている」

――練習、トレーニング、ケアなど、去年と違う部分は?

「(苦笑いしながら)特に変えていることはないよ。メジャーにいた時からずっと同じルーティンだ」

変化や理由がないからこそ、ロペスは打てる。

 メディアがほしがるのは「変化」や「理由」だ。

 今年から新しいトレーニングを取り入れたから。前の打席で甘い球を見逃し悔しい思いをしていたから。

 だからこの打席での「結果」が生まれたのだと、そう書ければ簡単なのだ。

 しかしロペスは、その論法には、はまらない。なぜなら、「メジャーにいた時からずっと同じルーティン」という言葉が証明しているとおり、「変化しない」のがロペスだからだ。

 低い位置で変わらないなら論外だが、ロペスの場合は常に高い目線で一定している。

【次ページ】 「可能な限り、日本で野球を続けていきたいし……」

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