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田中順也が岡崎慎司に相談した事。
海外で家族と暮らすことの難しさ。

posted2017/02/21 11:30

 
田中順也が岡崎慎司に相談した事。海外で家族と暮らすことの難しさ。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

自らを「リーダータイプではない」と語る田中順也。しかし、彼のポジティブな存在感は、チームに確実にいい影響をもたらすだろう。

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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「家族のために、もう一度輝きたい」

 今シーズン、ヴィッセル神戸に移籍してきた田中順也は、そう決意を述べた。

 田中にそう決意させたのは、ポルトガルで家族とともに悩み、苦しんだ日々があったからである。

 田中は2014年6月、柏レイソルからポルトガルのスポルティングCPに移籍した。1年目は7得点を挙げるなど活躍したが、2年目はジェズス新監督の構想外になり、出場機会を失って苦しんだ。家族も海外での生活に大きなストレスを抱えていた。そこでレスターにいた岡崎慎司に、「家族」についてよく相談に乗ってもらっていたという。

「奥さんは生まれたばかりの子供と一緒にポルトガルについてきてくれたけど、病院に行っても言葉が分からないので、どうしたらいいのか分からないし、予防接種ひとつするのも大変だった。友人もいないし、すごく寂しかったと思います。それでも僕のためにサポートしてくれていた。

 でも、僕は悩んでいる家族に何もできなかった。日本と全く異なる環境で家族にストレスがかからないようにしてあげるのは、サッカーをやりながらだとすごく難しいんです。それで、岡崎選手によく相談に乗ってもらいました」

年齢的にも帰国したら次のチャンスは厳しい。

 当時、家族と離れて生活していた岡崎からは家族と一緒にいることの大切さを説かれたが、田中はどうすべきか解決策を見出すことができなかった。

 試合にも出られず、先が見えない厳しい状況が続いていた。帰国するのは簡単だが、欧州の舞台から去ってしまうと、年齢的にも次のチャンスはもうない。だが、このままだと家族の負担が大きくなるばかり。でも別居は考えられない。悶々とした日々がつづいたが、田中はついに決断を下す。

 2016年、日本に帰国して柏への復帰を決めたのだ。

【次ページ】 3年はポルトガルでやりたいと思っていたが……。

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