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神宮大会、高校&大学を一気展望。
プロ指名選手に、“松坂2世”も!?
posted2015/11/12 10:40
text by
小関順二Junji Koseki
photograph by
NIKKAN SPORTS
11月13日に開幕する明治神宮大会・高校の部は、新チームによる初の全国大会である。
2012、13年の明治神宮大会の覇者となった仙台育英高と沖縄尚学高は、翌春の選抜大会でそれぞれ準々決勝に進出し、昨年の準優勝校・浦和学院は準決勝に進出しているので、選抜大会の前哨戦と位置づけていいと思う。
大学の部は4年生最後の全国大会、さらに開催時期がドラフト終了後の11月中旬なので、指名された選手の最後のお披露目の舞台と言ってもいい。私は東京六大学代表校対東都大学代表校の頂上決戦、さらに近年躍進がめざましい地方リーグ代表校の戦いぶりを見るのを毎年楽しみにしている。
過去10年の優勝回数を振り返ると、東都大学代表校が6回、東京六大学代表校が2回、地方リーグ代表校が2回(九州産業大、桐蔭横浜大)と、東都勢の強さが抜けている。準優勝は東京六大学勢が5回、地方リーグ代表校5回(東北福祉大2回、上武大、東海大、愛知学院大各1回)と東京六大学勢の健闘が目立つ。
東都勢と東京六大学勢の直接対決は'06、'07、'13、'14年の4回あり、いずれも東都勢に軍配が上がっている。しかし、これが全国の勢力図かというと必ずしもそうではない。もう1つの全国大会、全日本大学野球選手権(以下、大学選手権)を見ると異なる結果が出ているのである。同じように過去10年を振り返ってみよう。
地方リーグ同士の決勝が実現したことも。
優勝回数は東京六大学勢が4回、東都勢が3回、地方リーグ勢が3回(大阪体育大、上武大、東海大)と群雄割拠の様相を呈し、準優勝回数も東都勢3回、首都リーグ勢(東海大)3回、その他4回(富士大、慶応大、神奈川大、流通経済大)とバラけている。東都と東京六大学の直接対決は'11、'12年の2回だけで(1勝1敗)、あとの8回は地方リーグ勢が絡んで優勝争いが展開されている。
'14年などは東海大と神奈川大の間で決勝が争われ、東海大が2-0の僅差で13年ぶりの頂点に立っているが、東都と東京六大学の代表校は準決勝にも顔を出していない。ともに初戦で、亜細亜大は創価大に2-3、慶応大は神奈川大に1-3で敗れているのだ。