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香川が一対一の守備でチーム最高!?
ポジションチェンジで得た2つの武器。 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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posted2015/11/11 11:00

香川が一対一の守備でチーム最高!?ポジションチェンジで得た2つの武器。<Number Web> photograph by AFLO

復帰の昨シーズンはレギュラー争いをしていたが、今季の香川は完全にチームの中心選手だ。

大きな拍手を受けた香川のスライディング。

 そしてもう一つ、ポジションとともに香川の変化が見られたのが、守備でのプレーだ。これは、以前とは異なる役割を求められ、変化を強いられたと表現するのがふさわしいかもしれない。

 57分、シャルケのカウンターでのことだった。中央をゴレツカがドリブルで運び、バイタルエリアに進入しようとしたところで、香川が激しいスライディングでボールを奪った。このプレーには大きな拍手が送られた。

 香川と同じくインサイドハーフを務めるギュンドガンは、香川がやや攻撃的、ギュンドガンがやや守備的という役割の違いはあるものの、ピッチの中でも香川に近い関係にある選手だ。このドイツ代表Mが、試合後にこう話している。

「シンジは対峙するシャルケの選手たちに対して、実に良い形でプレッシャーをかけていたよね。でも、アイツはもっと出来ると思うよ」

一対一の勝利数、勝率も異例の数字を記録。

 香川の奮闘ぶりは、データでもはっきり見て取れる。

 好守でアグレッシブなプレーを見せていた香川が、この試合の一対一で勝った数は19回でチーム単独トップとなった。その勝率も65.55%を記録。これは香川にとって今季最高であるうえに、攻撃的なポジションの選手としては異例の数字。実際、この試合で香川のデータを上回っているのはフンメルスの68.8%だけだ。

 香川は現在の自分が務めるポジションについて、「トップ下のような、ボランチのような」役割と認識している。純粋なトップ下と比べ、攻撃ではリスクを冒さずに確実にプレーしなければいけない場面が、そして守備では相手の攻撃の芽をつむような激しいプレーが、以前にも増して求められている。それらをこなして初めて、いまのポジションの役割を果たすことができる。

「(ポジションが)中盤ですから。そういう一対一の攻防だったり、そういうところで負けていたらダメなので。そういうところを意識して、戦うようにしています」

 香川もそう話す。

【次ページ】 同時期では、実は過去5シーズンで最多勝ち点。

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