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香川が一対一の守備でチーム最高!?
ポジションチェンジで得た2つの武器。
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![ミムラユウスケ](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/8/90/img_6893d8ae37a7803861c2f66790f5844b6144.jpg)
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2015/11/11 11:00
![香川が一対一の守備でチーム最高!?ポジションチェンジで得た2つの武器。<Number Web> photograph by AFLO](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/b/d/700/img_bdfe5b8d65b8cd887ad8a4c8578f1424156134.jpg)
復帰の昨シーズンはレギュラー争いをしていたが、今季の香川は完全にチームの中心選手だ。
大きな拍手を受けた香川のスライディング。
そしてもう一つ、ポジションとともに香川の変化が見られたのが、守備でのプレーだ。これは、以前とは異なる役割を求められ、変化を強いられたと表現するのがふさわしいかもしれない。
57分、シャルケのカウンターでのことだった。中央をゴレツカがドリブルで運び、バイタルエリアに進入しようとしたところで、香川が激しいスライディングでボールを奪った。このプレーには大きな拍手が送られた。
香川と同じくインサイドハーフを務めるギュンドガンは、香川がやや攻撃的、ギュンドガンがやや守備的という役割の違いはあるものの、ピッチの中でも香川に近い関係にある選手だ。このドイツ代表Mが、試合後にこう話している。
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「シンジは対峙するシャルケの選手たちに対して、実に良い形でプレッシャーをかけていたよね。でも、アイツはもっと出来ると思うよ」
一対一の勝利数、勝率も異例の数字を記録。
香川の奮闘ぶりは、データでもはっきり見て取れる。
好守でアグレッシブなプレーを見せていた香川が、この試合の一対一で勝った数は19回でチーム単独トップとなった。その勝率も65.55%を記録。これは香川にとって今季最高であるうえに、攻撃的なポジションの選手としては異例の数字。実際、この試合で香川のデータを上回っているのはフンメルスの68.8%だけだ。
香川は現在の自分が務めるポジションについて、「トップ下のような、ボランチのような」役割と認識している。純粋なトップ下と比べ、攻撃ではリスクを冒さずに確実にプレーしなければいけない場面が、そして守備では相手の攻撃の芽をつむような激しいプレーが、以前にも増して求められている。それらをこなして初めて、いまのポジションの役割を果たすことができる。
「(ポジションが)中盤ですから。そういう一対一の攻防だったり、そういうところで負けていたらダメなので。そういうところを意識して、戦うようにしています」
香川もそう話す。