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W杯で失った自信を取り戻すために。
日本のスクラムを支える畠山健介。 

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photograph byTadayuki Minamoto

posted2015/09/15 16:30

W杯で失った自信を取り戻すために。日本のスクラムを支える畠山健介。<Number Web> photograph by Tadayuki Minamoto

早稲田からサントリーというエリートコースを歩む畠山健介。フォワードの中でもその頑強さは日本屈指の存在だ。

「センチ単位のこだわりを理解していなかった」

 現役時代にスクラム強国フランス代表のフッカーを務めたダルマゾの教えは、すでに充分なキャリアを持つ畠山にとっても新鮮だった。

「最初はダルマゾが何を伝えたいのかわからなかったんです。

 練習中に『そこはこうだ』と言われてもどうすればいいかわからなかったし、彼が実際に手本を示しても、その前とまったく変わらないように見えた。でも、それは僕らが彼のセンチ単位のこだわりを理解していなかったから。ダルマゾも言葉では『低く組んで8人でプレッシャーをかけろ』と言うんです。その表面的な意味はこれまでの僕らも意識していたことだけど、本質が全然違うんです。

 ダルマゾは世界の強豪とスクラムで戦ってきたから、スクラムに対する思いや技術がはるかに繊細かつ緻密でした」

 徹底したフィジカルの強化。そして緻密な技術はジャパンの選手に浸透した。

 変化が訪れたのは2013年6月のアメリカ戦でスクラム勝負に圧勝してから。選手たちは完全にスクラムに自信を持った。

「W杯で勝ったチームが強いチーム」

 ダルマゾも選手たちの成長を認めている。

「いまでは活発な意見交換が自然に起こる。以前はなかったことだ。選手たちはフィジカル面だけではなく、メンタル面でも充実している。それが自信につながり、今では問題が生じた時も解決策を彼らが見つける場面が増えている」

 それは過去の大会のような、根拠のない自信ではない。

 畠山もこの4年間で重ねてきた経験こそが重要なのだと語る。

「結局はW杯で勝ったチームが強いチームなんです。極論すれば、W杯前の試合に全敗してもいいとさえ思う。そこであらゆることを経験して、弱い部分をしっかり強化してきた。それでW杯に勝てばいいんです」

 畠山の4年間の真価が問われる運命の戦いが、まもなくはじまる。

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