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福西崇史が往年の宿敵・鹿島を分析。
“ジーコイズム”とはなんだったのか?
posted2015/08/04 16:45
text by
福西崇史Takashi Fukunishi
photograph by
Sports Graphic Number
メルマガ「福西崇史の『考えるサッカー』」、
最新号の中身をちょっとだけ……特別にご紹介いたします!
<目次>
【1】《福西崇史が語る「宿敵・鹿島アントラーズ」》(1)
~ 長い芝生のピッチで、ジュビロの良さを消してきた ~
【2】《福西崇史が語る「宿敵・鹿島アントラーズ」》(2)
~ クラブ全体に受け継がれている“ジーコイズム” ~
【3】《福西崇史が語る「宿敵・鹿島アントラーズ」》(3)
~ '97年と'01年、2つのチャンピオンシップの結末 ~
【4】《福西崇史が語る「宿敵・鹿島アントラーズ」》(4)
~ “我慢しきれない”現状を打破するためには…… ~
【5】《「皆さん、取材記者として参加してください!」祭り》こぼれ話
~ ロッカールームでの過ごし方って、どんな感じでした? ~
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【2】《福西崇史が語る「宿敵・鹿島アントラーズ」》(2)
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~ クラブ全体に受け継がれている“ジーコイズム” ~
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――対戦相手としては、嫌な所をついてくる鹿島は非常に厄介だったでしょうね。
福西:前線の選手だけじゃなくて、最終ラインや中盤には秋田さんをはじめ相馬(直樹)さんや名良橋さん、コージ(中田浩二)やミツオ(小笠原満男)に本山(雅志)……。日本人だけでも能力の高いメンバーがたくさんいた。それにプラスしてジョルジーニョやレオナルド、ビスマルクとかの強烈なブラジル人選手が、かみ合ったプレーを仕掛けてくるんだからね。
――今挙げた3人は'90年代後半にかけて鹿島に所属した3人ですね。ほかにもエウレル、マルキーニョス、そして古くはアルシンド、そして……。
福西:そう。ジーコだよね。鹿島の伝統を一言で言えば「勝負強さのチーム」。それはジーコが鹿島に来たことで生まれたものなんだと思う。選手それぞれの技術も本当に高いけど、自分勝手にプレーしないのが鹿島らしさ。時間帯を見て「勝負に徹する」プレーを全員がやりきる姿勢には、本当に苦しめられた。
――これは読者の皆さんにとっても“鹿島あるある”だと思いますが(笑)、1点リードの後半終了間際にボールキープして……。
福西:相手のバランスを崩したところを見逃さず、カウンターで勝利を決定づける追加点を奪ったりね。試合終了の瞬間まで勝つことにこだわってプレーしてくるのが当時の鹿島だったけど、さらに「対ジュビロ」というのをものすごく徹底してくるんだよ。