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「オオタニに息子が目を丸くしてたよ」鉄人フリーマン…大谷翔平とベッツの後ろで頼れる“良きパパ”かつ「じつは155km投手だった」二刀流への敬意
posted2024/10/27 17:34
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Daniel Shirey/Getty Images
“歴史は繰り返す”WSでの逆転サヨナラ弾
<名言1>
誰もが翔平がやっていることをできるとは思わない。だが、少なくとも二刀流への扉は開かれた。
(フレディ・フリーマン/NumberWeb 2022年7月13日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/853897
◇解説◇
ワールドシリーズ第1戦でヒーローとなったのは、大谷翔平でもアーロン・ジャッジでもなく……フレディ・フリーマンだった。
ロースコアで展開した試合は10回表にヤンキースが1点をもぎ取った直後、ドジャースは1死一、二塁のチャンスで打席に立ったのは大谷だが……ヤンキースは左腕コルテズを投入。レフトのベルドゥーゴのファインプレーに阻まれ、続くベッツは申告敬遠。フリーマンは全てを決する二死満塁のチャンスで打席に立った。その初球、背番号5は迷うことなくバットを振り抜くと、逆転サヨナラ満塁ホームランという最高の結末を呼び込んだ。
MLB公式サイトによると、あと1アウトで試合終了に追い込まれてからのサヨナラ本塁打は1988年、同じくドジャースのカーク・ギブソン以来。さらに両者ともに第1戦、ドジャース所属で「足をケガしている」にもかかわらず「ライトスタンドに叩き込む」という“歴史は繰り返す”一撃となった。
さらに翌日の第2戦でもフリーマンの打棒は止まらない。1-1で迎えた3回裏、テオスカー・ヘルナンデスの勝ち越し2ラン本塁打に続いて、4番フリーマンが第1戦と同じく内角のフォーシームを振り切り、ライトスタンドに突き刺さるソロホームラン。先発・山本由伸に応える一撃となった。
満身創痍でも鉄人…じつは高校時代、剛球投手だった
フリーマンは今季後半戦、まさに満身創痍だった。
後述する息子の難病による離脱から復帰後、守備時に右手中指を亀裂骨折。さらに地区優勝を決めたパドレス戦で右足首の捻挫を負った。ポストシーズンでは走塁や守備で右足をかばうような仕草をたびたび見せたり欠場する試合もあったが、ワールドシリーズ最初の打席ではレフト線安打の処理を相手守備がもたつく中で激走し、三塁打にする鉄人ぶりだった。
今季、連続シーズン打率3割こそ「4」で途切れたが、35歳にしてメジャー現役最多の2267安打。20本塁打以上をマーク(通算343本塁打)したのはメジャー15年で11回、堅実な一塁守備も含めた安定感は、ドジャースが2022年に結んだ6年1億6200万ドルの高評価を物語る。
そんなフリーマンだが……実は二刀流のセンスを見せていた若き日があったのだという。