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<欧州で戦うなでしこ>
熊谷紗希「私たちは勝ち続けないといけない」
text by

了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byTomoki Momozono
posted2015/05/27 10:00

PKを最後に決め世界一に輝いた4年前、熊谷紗希は大きな一歩を踏み出していた。
所属していた浦和レッズレディースから、ドイツW杯前に決まっていたフランクフルトに移籍した。世界女王の称号をひっさげ加入したドイツ屈指の強豪クラブでは、早々にレギュラーに定着。ファーストシーズンで早くも欧州CL決勝に進出を果たすも、フランスのリヨンを相手に苦杯をなめた。同年、ロンドン五輪で銀メダルを獲得し、翌2013年にはリヨンからのオファーを受け更なる移籍を決断した。
そしてリヨンでの2シーズン目となる今季、CLのタイトルは逃したが国内2冠を達成している。
「W杯からもう4年経ちますからね……。あっという間でした。4年ってこんなに早かったんだ、そりゃもう年取るわー、もう24歳だよって感じ。海外に出て、4シーズン目? こわいこわい」
おどけながら、笑いを誘った。
ドイツW杯は、実は熊谷にとっては主力として迎える初めての世界の舞台だった。
「とにかく頑張ろう、って思っていました。ホント、ああいう舞台で戦うのが初めてだったから、アメリカ、ドイツ、スウェーデンってこんな人たちいるんだって驚きの方が大きかった。試合中にそんな事を思う余裕はないけど、終わってからあらためて思ってましたね。でも、W杯前にはフランクフルトに移籍するって決まってたから、ドイツ戦なんかはここで自分が何もできなかったら、入ってからなめられるだろうなっていうのはありましたけど」
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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