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交流戦はリーグ優勝への試金石?
好調DeNAは“実力のパ”を倒せるか。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byHideki Sugiyama
posted2015/05/22 12:15
4番・筒香を筆頭に、生え抜きの若手がDeNAの快進撃を牽引している。就任4年目の中畑監督が悲願のリーグ優勝を果たすためにも、5月26日に始まる交流戦の戦い方がカギになる。
交流戦での明暗が、巨人と広島の最終順位を分けた。
期間中27本塁打と12球団トップの本塁打を放ちながら、総得点の85点は11位と下から2番目。123失点もワースト3位だった。強力投手陣を立てて、序盤に打ちまくった打線をたのみにパ・リーグの6球団に力勝負を挑んだ結果がこれだった。打線が有機的に繋がらずに、チームとしての戦いができなかった。転落への道はここで口を開けて待っていたのである。
結果的にこの交流戦で8つの貯金をした巨人は、82勝61敗1分けでリーグ優勝も果たした。一方、ここで6つの負け越しを喫した広島は、終盤の巻き返しも届かず74勝68敗2分けの3位に終わっている。交流戦でのプラス、マイナスが最終成績にも反映される結果となった。
交流戦は、DeNA17年ぶりの夢へ向けて最初の関門。
日本ハムの大谷翔平をはじめ、楽天の則本昂大やオリックスのブランドン・ディクソン、西武の十亀剣、牧田和久ら好投手が居並ぶパ・リーグチームをDeNA打線がどう打ち崩せるのか。さらにセ・リーグにはないソフトバンクや西武の破壊力のある打線を、DeNAの先発陣がどこまで抑えて田中-山崎のホットラインにつなげるのか。
得点力の高いパ・リーグ球団を相手に、どれだけDeNA打線がこれまで通りの力を発揮し、勝利の方程式につなげる野球ができるか。そしてもう1つ問われるのが、決して力だけでは乗り切れない交流戦だけに、中畑監督がどこまで組織野球を展開して点を取れないときに白星を奪えるか。そこで真価が問われることになるのである。
今年からは今までのホーム&アウェーによる2連戦システムから、隔年ホーム開催による3連戦システムへと対戦方式が変わった。先発の頭数を含めてより総合力が問われる、チームの本当の力が問われる戦いとなる。
まずはここが、17年ぶりの夢に向かうDeNAの最初の関門となりそうである。