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松山英樹と石川遼、対照的な方法論。
「What」と「How」は「Win」のために。
posted2014/10/22 10:50
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph by
Getty Images
米ツアーは早くも新シーズンを迎え、すでに開幕2試合が米西海岸で終了した。
松山英樹は開幕戦のフライズコム・オープンで昨年に引き続き3位に食い込み、第2戦のシュライナーズホスピタル・オープンは10位。
開幕早々、ポンポンと当たり前のようにトップ10入りを果たし「順位は求めないとプロじゃない。結果を出してナンボだと思う」と数字的には満足感を示したが、その途上には彼なりの苦悩があった。
あれは、開幕第2戦の2日目の夜。メディアセンターでベテランの米国人記者が怪訝そうに話しかけてきた。
「マツヤマは、まだいるの? もう帰った?」
――ついさっき帰ったと思う。
「でも、つい10分ぐらい前までパットの練習をしていただろ? ほとんど真っ暗でラインもろくに見えない中、あんなふうに、がむしゃらに練習しても効率が上がるとは思えない。マツヤマにコーチはいないのかい?」
――松山は今はコーチはつけていないよ。
「タイガー・ウッズだって、ローリー・マキロイだって、どんな一流選手だってコーチを付けるんだ。いや、一流だからこそコーチは必要だろ?」
その米国人記者は、小声でそう言った。
問題点には気づいている。しかし方法論がない。
コーチの必要性を語る前に、まず現在の松山について考えてみる。
おそらく彼は自分のゴルフを直視して、何が良いのか悪いのか、何を改善すべきかという「何=What」を見つけることはできているのだと思う。だがその現象や症状が自分に起こっているのは「なぜ=Why」という答えを追求したり、その現象や症状を改善・解決するための「どうやって=How」を見つける、という段階には踏み込めていないように見える。