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新監督の“怒”に清武・長谷部が心服。
ニュルンベルクが後半5戦4勝の理由。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byPicture Alliance/AFLO
posted2014/02/26 10:40
試合への手応えをわかちあう清武弘嗣とフェルベーク新監督。新監督はオランダのAZで3年連続EL出場という実績を残した名監督だ。
長谷部が語るチーム、そして手術した右ひざの状況。
「(シーズンの)後半戦は、ゲーム内容が良くなくても勝ちきっているので。もちろんポジティブにとらえられるところはポジティブにとらえられるけど、監督も『もっと良いサッカーをしないといけない』というのは常に言っていますからね」
1月に右ひざを手術した長谷部は、すでにチームの練習に復帰しており、チームメイトと同じメニューに取り組んでいる。右足で踏ん張って左足のシュートを放つこともあれば、右足でのパス、右足でのシュートも普通に打っているように見える。復帰目前であるかのように見えるが、長谷部は自らに言い聞かせるようにこう答えている。
「5週間くらいサッカーをやっていないから、やっぱり、(練習を)やっていてもまだまだだなという感じはします。フィーリングもそうだし、普通のリハビリの中で筋トレとかをしてつく筋肉と、サッカーをやってつく筋肉は、やっぱり全然違うから」
長谷部は焦ることなく、淡々と復帰へ準備を進めている。
監督からはいつくらいに戻れるのか聞かれることもあるそうだが、長谷部は焦ることなく、自らのコンディション、フィーリング、筋力を高めていくつもりだ。
5年前に手術をしたときにも焦ることなく練習を続け、シーズンの最終盤に復帰。ヴォルフスブルクのリーグ初優勝がかかった終盤戦でのアシストをはじめとして、立て続けにゴールに絡んでチームに貢献した。そのあたりの経緯については彼の著書『心を整える。』の「勝負所を見極める」というパートで詳細に語っている。
現在のニュルンベルクは悪い内容でも勝ち星を拾えているが、この流れがいつまでも続くわけでもないだろう。逆に、良いサッカーをしていても結果がついてこない時期もある。移籍してから前半戦終了時までフルタイム出場を続けていた長谷部は、そんな最悪の事態を想定して、淡々と準備をしているのかもしれない。
いずれにしても、フェルベーク監督の下でチームは「自分たちのサッカー」を見つけた。これが大きな意味を持っている。それがあれば、残留争いが佳境を迎えるシーズン終盤戦でも、しっかりと結果を残すことが出来るはずだ。