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新監督の“怒”に清武・長谷部が心服。
ニュルンベルクが後半5戦4勝の理由。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byPicture Alliance/AFLO
posted2014/02/26 10:40
試合への手応えをわかちあう清武弘嗣とフェルベーク新監督。新監督はオランダのAZで3年連続EL出場という実績を残した名監督だ。
1人少ない状況の中で残留争いのライバルに逆転勝ち。
2月22日、残留争いのライバルである最下位ブラウンシュバイク戦のハーフタイムにも、印象的な出来事があった。
この試合では32分にセンターバックのニルソンが相手の決定機を阻止したとしてレッドカードをもらってしまい、ニュルンベルクは1人少ない中での戦いを強いられた。
その2分後にはコーナーキックから相手に先制を許し、39分にはGKシェーファーが相手選手をペナルティエリア内で倒してしまい、PKを与えてしまった。このPKはシェーファーが止めて見せたが、前半を終えたチームは清武が24分に放った1本のシュート以外に、チャンスは作れず、1人少ない中で0-1とリードを奪われていた。心が折れても仕方がない場面だったのかもしれない。
それでも後半1分に清武が豪快にミドルシュートを叩き込み、後半2分にはハーフタイムに途中出場を命じられたFWぺクハルトが逆転ゴールを放った。そして、チームはそのまま2-1で逃げ切りを果たした。
一体、ハーフタイムに何が起こったのか。
「ハーフタイムに監督がメッチャ怒っていた」(清武)
「ハーフタイムには監督がメッチャ怒っていて……」
そう証言したのは清武だ。
「みんなボールを受けたがらないし、今までやってきたことを出せていなかったことに腹が立ったんじゃないかなと思います。それで喝を入れられて、後半はああいう風に出来たと思いますし。まあ、俺がPKを決めていれば(※68分に得たPKを左ポストに当ててしまった)、もっと楽な試合だったので、残念です」
フェルベーク監督に先天的なカリスマ性があるのか、それとも一貫した方針の下で指導を続けているからカリスマ性が生まれるのか。それを判断するのは難しい。ただ、カリスマ性があるのは確かなようだ。清武はこう話している。
「試合前とかは言葉数は少ないですけど、その中でみんなが感じるものはあるやろうし。普段の練習とかでも言葉数が少ない中の、一つひとつをとったら、すごく良いことを言っていると思う」
そんな指揮官のもとで、チームは順調に進んでいるように見えるが、長谷部に油断する素振りはなく、冷静にこう話している。