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新監督の“怒”に清武・長谷部が心服。
ニュルンベルクが後半5戦4勝の理由。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byPicture Alliance/AFLO
posted2014/02/26 10:40
試合への手応えをわかちあう清武弘嗣とフェルベーク新監督。新監督はオランダのAZで3年連続EL出場という実績を残した名監督だ。
「攻撃のことを考えろ!」とフェルベーク監督は訴える。
「攻撃のために守備をしろ!」
「守備をしているときでも、常に攻撃のことを考えろ!」
10月25日のシュツットガルト戦から指揮を執り始めたフェルベーク監督は、当初からそのように選手たちに訴えかけていた。
自分たちが主導権を握って、自分たちのサッカーをするように心がける。
そんな考え方は、選手たちには好意的に受け入れられた。前任のビージンガー監督のもとでは、相手に合わせたサッカーをすることも少なくなかったからだ。
また、昨シーズン後半戦のチームの状況について、地元紙はこんな風に辛らつな批判をしていたこともある。
「どのように守備をすればいいのか、チーム内の年長選手たちと、若手たちで意見が分かれることがあった」
「芯が通っている」と長谷部、清武も新指揮官を評した。
それに対してフェルベーク監督の狙いは明確だ。ヴォルフスブルク時代から含めると、ドイツに来てから自身にとって6人(暫定監督を含めると8人)の監督の下でプレーしてきた長谷部誠は、フェルベーク監督についてこう話している。
「結果に一喜一憂しないで、自分たちのやっているサッカーを、とにかく時間をかけてでも積み上げようとする。だから、勝っても『昨日のゲームは全然ダメだった』とかしっかりと言うことがあるし、負けたとしても『今日は非常に良かった』と言ってくれる。非常に芯が通っている感じがしますね」
清武弘嗣も同じ意見だ。
「監督は『常に自分たちのサッカーをする』という人なので。それが出来なかったら怒るし、出来たら怒らない。はっきりしていますね」
チームとして取り組むサッカーにやりがいを覚える選手が増えたことに加え、監督の方針がブレない。ブンデスリーガで最も多く2部降格を経験しているチームは、こうして生まれ変わりつつあるのだ。