ブンデスリーガ蹴球白書BACK NUMBER
細貝と長谷部が変える日本人の常識。
何故彼らはピッチ中央にいられるか。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph bypicture alliance/AFLO
posted2013/12/12 10:30
チームの中でダントツの走行距離、上位のボールタッチ、被ファール数を誇る細貝は、敵味方双方からチームの中心と認識されていることがわかる。
ピッチの中央は、結果への責任が大きな場所である。
ニュルンベルクは、開幕から15試合で未だに一度も勝てていない。これはブンデスリーガ史上最低の成績だ。だから、長谷部は先日もこう話していた。
「ああいう時期(ブンデスリーガ開幕後の8月31日にニュルンベルクに加入)に入っているのは間違いなく助っ人として来ているということだし、その中で勝てていないというのは非常に責任を感じるし。そこで勝たせるための……ゴールを決めることであったり、ラストパスであったり、そういうところが自分の中ではまだ足りないのかなと思いますね」
今シーズンから1部に昇格したヘルタは15試合を終えて、勝ち点22の7位という好位置につけているが、細貝はこの結果に満足していない。
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「自分の設定としてはこの時点では今よりもう少し高い順位にいるべきだと思っていたので、どうにか勝ち点を積み重ねていかないと……。やっぱり、ボランチをやっている以上、チームの結果が出ないというのは自分の責任は大きなものだと思います」
攻撃的なポジションの選手のように、ゴールを決めて大々的にその存在がフィーチャーされることはない。しかし、彼らもチームの浮沈のカギを握るキーパーソンなのだ。
目立たないけれども、重要な存在である2人の活躍を見逃してはいけない。日本人に守備的なポジションは難しい――そんな思い込みにとらわれずにプレーを見る時期が来ているのかもしれない。長谷部と細貝が新しい時代を切り開きつつあるのだから。