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<CSKA監督&選手が語る本田圭佑> レオニード・スルツキ 「私はホンダに攻撃の自由を与えている」
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byTakuya Sugiyama
posted2013/05/29 06:01
各国の代表が名を連ねるCL常連の強豪クラブにおいて、
本田圭佑は、気が付けば“替えの利かない選手”になっていた。
モスクワの地で、国籍と言葉の壁を超えてリスペクトされる
男の素顔が指揮官とチームメイトの証言により、浮かび上がる。
本田圭佑は、気が付けば“替えの利かない選手”になっていた。
モスクワの地で、国籍と言葉の壁を超えてリスペクトされる
男の素顔が指揮官とチームメイトの証言により、浮かび上がる。
本来であれば、本田圭佑はもっとロシア語を勉強すべきだったのかもしれない。
スルツキ監督は残念そうに言った。
「ホンダはロシア語を少し話せる。けれど、期待しているほどには良くならなかった」
CSKAの練習中、本田は「ダーバイ!」(さあ行くぞ)といったロシア語をよく口にするし、約2年前、モスクワのカフェで取材したときには、ロシア語で淀みなくエスプレッソと水のセットを注文してくれた。一般的な日本人に比べたら、かなり話せる方である。ただ監督からすると「まだまだ物足りない」ということなのだ。
ロシア代表MFのザゴエフも、監督と同じように感じていた。
「ホンダとは英語で話すんだけど、こちらの英語力に限界がある。どうしてもロシア語のグループと、英語のグループで分かれてしまうんだ。ホンダはサインを頼んだら絶対にしてくれるし、すごくやさしい。でも、言葉が通じないと、黙っている時間が長くなるよね」
本田から「パパ」というあだ名で親しまれている37歳のラヒミッチも、「あまり会話はないんだよなぁ」と惜しんでいた。
だが、あくまでそれは“ロシア語グループ”からの印象である。
“英語グループ”の選手に聞くと、日本代表にいるときとほぼ変わらない、生き生きとした本田の姿が浮かび上がってくる。