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女子テニス、フェド杯2部降格も――。
伊達不在の新チームが掴んだ手応え。 

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秋山英宏

秋山英宏Hidehiro Akiyama

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photograph byGetty Images

posted2013/04/22 11:35

女子テニス、フェド杯2部降格も――。伊達不在の新チームが掴んだ手応え。<Number Web> photograph by Getty Images

土居美咲(右)とダブルスを組んだ青山修子。試合には敗れたが、代表初選出ながらダブルスの世界ランク59位の実力を見せた。

“魔のクレーコート”に迷いが生じた日本選手たち。

 会場となったレアル・クラブ・デ・ポロのクレーコートはよく整備され、れんが色が美しかった。しかし、全仏オープンでもおなじみのこのレッドクレー(赤土)は、日本の女子選手にとっては魔のコートだ。

 赤土は、「スピード」という日本選手に共通の特徴を無効にしてしまう。球足が遅いため、プレーのスピードやボールを捕らえるタイミングの早さという武器が生かされないのだ。杉山愛はベテランと呼ばれる年齢になってもクレーへの適応に苦しみ、クルム伊達は今でも「一番苦手なコート」と公言している。

 森田も土居も、この赤土と自分のプレーの折り合いをつけるのに苦しんだ。初日の試合後、森田はこう話した。

「クレーコートに完全には慣れていないこともあって、やるべきことが中途半端になってしまった」

 相手のサーブにしっかり踏み込んで、攻めていくのが森田のスタイル。しかし、球足の遅いクレーコートでこうしたリスクのあるプレーは得策なのか、と迷いが生じた。今季好調の森田には「自分のやるべきことが決まっているから、きわどいゲームをものにできている」という自負がある。しかし、クレーコートに立ったとたんに「やるべきこと」が明確でなくなったのだ。

完敗の日本チームで光ったのはダブルスの青山。

 一方、スペインの選手たちにとってレッドクレーは幼い頃から慣れ親しんだコートサーフェス。ホームのアドバンテージが結果を大きく左右したのは事実だ。新チームの初戦の舞台が「選手たちにとって一番タフなサーフェス」(村上監督)だったのは不運という見方もできる。

 完敗の日本チームで光ったのは、青山の存在だ。

 杉山が引退してから日本代表はダブルスで軸となる選手を探してきた。藤原里華がその役割を担っていたが、彼女も31歳。故障の影響もあって今季は代表入りしていない。そこで初めて起用されたのが青山。ダブルスでツアー2大会優勝と実績もある。土居とペアを組み、敗れたもののダブルス巧者のペアに4-6、5-7と食い下がったのは及第点だ。

「得意とするネットプレー、前(ネット際)での動きは積極的にできた」と青山。激しい動きと思い切りで、ダブルススペシャリストとして欠かせない戦力になりそうだ。

【次ページ】 土居は悔しい思いを払拭できたか!?

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