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女子テニス、フェド杯2部降格も――。
伊達不在の新チームが掴んだ手応え。
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph byGetty Images
posted2013/04/22 11:35
土居美咲(右)とダブルスを組んだ青山修子。試合には敗れたが、代表初選出ながらダブルスの世界ランク59位の実力を見せた。
4月20、21日の両日、スペイン・バルセロナで女子国別対抗戦フェドカップの日本対スペイン戦が行なわれた。日本にとってワールドグループ(WG)残留を懸けたプレーオフだったが、0勝4敗と完敗、来シーズンの同グループ2部降格が決まった。
2月のWG1回戦、ロシア戦には森田あゆみとクルム伊達公子の2枚看板で臨んだが、今回は伊達がメンバーから外れた。村上武資監督が「(23歳の)森田中心のチームに切り替える」と世代交代を図ったのだ。
精力的にツアーを回る伊達だが、この9月で43歳になる。「いつまで伊達に頼るのかと、切り替えの時期をここ数年、考えていた。ロシア戦で森田が(シングルスで2勝と)大活躍し、その時が来たと判断した」と村上監督は話した。「これからのチームの躍進には(ともに21歳の)土居美咲と奈良くるみの成長が不可欠」と、若い二人に団体戦で経験を積ませることも監督のねらいだった。
伊達に代えてチームに招いたのは、ダブルスを得意とする25歳の青山修子。スペイン戦の日本チームの平均年齢は22.5歳となり、ロシア戦の26.5歳から大きく若返った。
しかしながら、新チームの船出は苦いものとなった。
1セットも奪えないシャットアウト負け。完敗の要因は……。
初日、世界ランキング89位の土居はスペインのナンバーワン、カルラ・スアレスナバロ(23位)に3-6、4-6。第2セットは1-4から4-4に追いつく粘りも見せたが、激しく競ったのはこの場面だけ。9本のダブルフォールトが響き、土居は敗れ去った。
続く第2試合でもエースの森田(43位)が65位のシルビア・ソレルエスピノサに2-6、3-6とストレートで敗れた。森田が積極的に攻める場面も多かったが、相手に粘られ、8本あったブレークポイントも一度しか生かせなかった。
最終日も第1試合で森田がスアレスナバロに3-6、5-7で完敗し、日本は3連敗。プレーオフ敗退が決まったあとのダブルスでも青山/土居ペアがストレートで敗れ、4敗で対戦を終えた(規定によりシングルス1試合がキャンセル)。
一つの白星どころか、1セットも奪えないシャットアウト負けだった。ただ、完敗の要因を伊達の不在と選手たちの若さ、未熟さだけに求めては結論を急ぎすぎることになる。