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ブームは終われど格闘技愛は死せず。
実は地方に根付いていた“格闘文化”。 

text by

橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph byNorihiro Hashimoto

posted2012/07/01 08:01

ブームは終われど格闘技愛は死せず。実は地方に根付いていた“格闘文化”。<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto

6月24日、イベントプラザ富山で行なわれた、『DEEP 野蛮人祭り』にてラストマッチを行なった地元、富山市出身のBarbaro44(写真・前列中央)。引退セレモニーには多くの関係者が集まり、引退に華を添えた。共にしのぎを削った北岡悟(写真・後列右端)も駆け付けた。

地域社会にしっかりと根付いた日本の“格闘文化”。

 引退セレモニー。労いの花束や記念品を渡すためリングに上がったのは、実に21人。ジムの後輩、イベント関係者、スポンサー。東京からは、出稽古でともに汗を流した北岡悟も訪れた。地元にこだわりながら“中央”でも活躍したBarbaroならではの、そして地方興行ならではの引退セレモニーだったと言えるだろう。

 決して目立たない、大きなニュースにはならない地方興行での引退。しかしそれは、Barbaroと彼の仲間たちにとって最高の舞台だった。

 東京ではなく、五大都市でもない富山にも、格闘技を愛してやまない者たちがいる。ここで行なわれる試合は“世界”につながり、同時に“ここにしかないドラマ”もある。

 日本から格闘技ブームが去って久しい。しかし富山大会を見て感じたのは、この国には間違いなく“格闘文化”が根づいているということだ。

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Barbaro44

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