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なぜ卓球は小学生でも活躍できる?
日本卓球界独特の強化体制を検証。 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byHiroyuki Nakamura

posted2012/01/30 10:30

なぜ卓球は小学生でも活躍できる?日本卓球界独特の強化体制を検証。<Number Web> photograph by Hiroyuki Nakamura

卓球全日本選手権・女子シングルス4回戦では、大学生相手に勝利した小学6年生の加藤美優。次戦は石川佳純に敗れたものの、前回女王を本気にさせ、1セットを奪うなど健闘した

子どもの将来性に惜しみなく投資する協会の強化体制。

 こうした前提の上で、日本の卓球界の強化体制が小学生の活躍を可能にしていることをお伝えしておきたい。

 日本卓球協会は1980年代に入ると、普及と育成を目的に小学生以下によるホープス、小学4年生以下のカブなど年代別の全国大会を設けた。すると、全国という舞台ができたことで、小学校に入学する前から卓球に取り組む子どもが増えていったのだ。

 さらに福原の登場で卓球への注目が集まったあとの'01年には、小学生のナショナルチームまでも結成し、国内外での合宿をはじめとする強化を開始した。男子のエース、水谷や女子の石川もかつてはそのメンバーだった。

 そして翌'02年からは、全国大会の成績をもとに有望な小学生数十名とその指導者を対象とした研修も開始したのだ。

 全国大会へと選手を送り出す各地の卓球教室などの指導者の努力も見逃すわけにはいかないが、将来性のある選手を見出し、いち早くナショナルチームに引き上げる枠組みを築いて毎年強化を継続して行なってきたことが、近年の若い選手の活躍につながっているのは間違いない。

 石川は、今大会の小学生たちの活躍とレベルの向上について、このように語っている。

「私が小学生だった時より、みんな基本がしっかりしています。ミスが少ないし、すごいなと思います」

 現在の活況を考えると、ロンドン五輪のみならず、その先へと、卓球の今後が楽しみになってくる。

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