ベースボール・ダンディBACK NUMBER
セ・リーグ最高の監督は誰?
~得点効率で監督采配を評価する~
text by
田端到Itaru Tabata
photograph byNaoya Sanuki
posted2010/02/09 10:30
万年Bクラスに甘んじているのも納得できる得点効率の低さ。
続いて、阪神、広島、横浜。
阪神は、シーズンごとのプラスとマイナスの変動が激しい。岡田彰布前監督は5年のうち2年でプラス。昨季、就任1年目の真弓明信監督はマイナス20点台後半だった。今季の巻き返しが待たれる。
広島は毎年コンスタントにマイナス30点前後で推移している。この安定した得点効率の低さは、ベンチの責任なのか、そうではないのか。
野村謙二郎新監督がその答えを出してくれるだろう。また、今季からブラウン監督が就任する楽天の結果も、その答えになる。
そして尾花高夫新監督が就任した横浜。過去5年のデータでは、牛島監督時代はまずまず効率の悪くない攻撃をしていたのに、大矢監督時代はガクンと効率が下がってしまったのがわかる。尾花監督がこのチームにどんな采配を振るうのか、とても興味がある。
尾花新監督の就任でジリ貧横浜の得点効率は改善されるか?
尾花といえば、1980年代にヤクルトの中心投手として活躍した“悲運のエース”だ。
ヤクルトV1は'78年。尾花が主力として登板し始めたのが'79年で、'91年に現役引退。ヤクルトV2が'92年。
わかるだろうか。よりによってチームが優勝できなかった13年間に、ぴったりハマる形で尾花はマウンドに立ち続けた。これを悲運と呼ばず、なんと呼ぼう。
しかし、優勝に恵まれなかった現役時代のツキのなさを180度ひっくり返すように、コーチとしての尾花は、ダイエー(ソフトバンク)や巨人で幾度もの優勝を支えてきた。尾花が投手コーチに就任すると、例外なくチーム防御率が良化する、というデータもある。
尾花新監督は低迷を続ける横浜を立て直すことができるのか。名投手コーチは、得点効率も改善させることができるのか。
'80年代、ガラガラの神宮球場で孤軍奮闘していた現役投手当時の一ファンとして、見守りたい。