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誰も予想することが出来なかった、
インディアンスの怒涛の快進撃! 

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菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

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photograph byGetty Images

posted2011/05/16 10:30

誰も予想することが出来なかった、インディアンスの怒涛の快進撃!<Number Web> photograph by Getty Images

インディアンスのマニー・アクタ監督。選手としてメジャーでの経験こそないものの、指導者としての評価は高い。2007-2009シーズンはナショナルズの監督を務めている

 MLBもすでにシーズン1カ月以上が経過した。なかでも開幕から快進撃を続けていたインディアンスは今なお、その勢いが衰える様子はない。開幕前の下馬評を無視するかのように、フィリーズと並んでメジャー1位にまで一気に上り詰め、5月12日現在でもわずか1勝差でフィリーズに次いで2位につけている。フィリーズは大方の予想通りの成績とはいえ、インディアンスの大躍進は多くの人々を驚かせている。

「彼らはただ勢いがあるという次元のレベルではない。彼らの強さはリアルだ」

 5月6日からインディアンスと3連戦を戦い2勝1敗と勝ち越しながらも、その試合内容、戦いぶりを評したエンゼルスのマイク・ソーシア監督はこう断言した。実際成績の上でも彼らの好調は十分に裏づけられている。

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 MLBで集計しているチーム成績3部門をみると、チーム打率(.264)、チーム防御率(3.40)、チーム守備率(.985)とすべてにおいてリーグ4位以内にランキングしており、“穴”のない投攻守バランスのとれたチームだということがわかる。

連勝を呼び込む「グッド・ピッチングとグッド・ディフェンス」。

 それでは当事者たちはここまでの好調ぶりをどう捉えているのだろうか。まずは就任2年目を迎えたマニー・アクタ監督の説明を聞いてほしい。

「ここまで好調の理由はコンビネーションによるものだ。グッド・ピッチングとグッド・ディフェンスのね。昨年の後半戦から投手陣は非常にいい投球を続けていたし、さらに今年はオルランド・カブレラが加わるともに、ジャック・ハンナハンが三塁手に定着し大幅に守備が改善された。昨年はチーム再構築の要素が強かったが、今年は選手たちも経験を積み確実にレベルアップしている。今年は周りの期待も上がっているし、我々の目標も勝つことしかない」

 前述した通り、チーム打率はリーグ2位の成績を残しているものの、アクタ監督が真っ先に挙げた好調の理由は攻撃ではなく堅実な守備と投手力だった。

 さらに監督ばかりか、打線の要の1人である指名打者のトラビス・ハフナーもまったく同じ意見を口にしているのだ。

「どこからでも得点できる重厚な打線が完成したことは確かだが、それ以上に先発陣がここまで最高の仕事をし、中継ぎ陣も陣容が揃い強固さを増している。さらに守備に関しては大幅に改善されており、大きなミスをしなくなった」

【次ページ】 派手なHRより剛速球!? MLBは守り勝つ時代へ。

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#クリーブランド・インディアンス

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