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格闘賢者「TK」が、引退試合で見せたもの。
text by

布施鋼治Koji Fuse
photograph byToshiya Kondo
posted2006/05/25 00:00

「今日の高阪の試合を見て自分も燃えました。自分もああいう試合ができるように頑張らなくてはと思いました」
5月5日、PRIDE無差別級GP。メインで西島洋介(高田道場)をワンサイドで下した吉田秀彦(吉田道場)は、親友・高阪剛(チーム・アライアンス)の話題を振られると語気を強めた。無理もない。この日、引退をかけてマーク・ハント(ニュージーランド)戦に臨んだ高阪はスタンドの打撃でボコボコにされながら、最後まで勝負を諦めずに真正面から立ち向かっていったのだから。
かつてK―1ワールドGP王者に輝いたハントのパンチを受けて何度もよろめきながら、そのたびにパンチで応戦。タックルを切られても、執拗に同じ軌道のタックルを仕掛けていった。死に物狂いという言葉を安易に使いたくはないが、この日の高阪はまさにそうだった。
