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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
巨人FA近年の成功は丸佳浩、ホークス近藤健介や山川穂高もいるが…大谷翔平も山本由伸も村上宗隆もメジャー挑戦で「国内移籍が小粒化」問題
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama
posted2025/11/29 11:01
巨人の近年のFA移籍で最も成功したと言える丸佳浩だが、近年のFA加入組の成績は?
投手:勝利数5傑と主要な救援投手
涌井秀章 2013年(西→ロ)6年
145登48勝55敗0S0H 954.2回 率3.72
石井一久 2007年(ヤ→西)6年
119登45勝40敗0S4H 624.2回 率4.02
中田賢一 2013年(中→ソ)6年
108登39勝26敗0S0H 573回 率3.99
杉内俊哉 2011年(ソ→巨)4年
91登39勝22敗0S0H 571回 率3.03
久保康友 2013年(神→De)4年
71登29勝23敗0S0H 434回 率3.77
豊田清 2005年(西→巨)5年
197登9勝14敗22S71H 187.1回 率3.12
大竹寛 2013年(広→巨)8年
130登28勝23敗0S25H 407回 率3.85
涌井は西武からロッテにFA移籍し、さらに楽天を経て現在は中日。西武、ロッテ、楽天と3球団で「最多勝」はNPB唯一の記録である。左腕の石井はドジャース、メッツを経てヤクルトに復帰したのち、35歳の年にFAで西武に移籍し、2ケタ勝利2回をマークした。中田、杉内もFAで39勝。救援では豊田、大竹が巨人で活躍。この時期までは「FAと言えば巨人」という認識が多少残っていた。
直近10年:浅村や丸、近藤や山川がいる一方で
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しかし直近10年を見ると、今までの傾向から変わってくる。
〈2015~24年〉
野手:安打数10傑
浅村栄斗 2018年(西→楽)内野手/7年
931試3300打865安
159本521点11盗 率.262
丸佳浩 2018年(広→巨)外野手/7年
873試3111打850安
142本404点48盗 率.273
鈴木大地 2019年(ロ→楽)内野手/6年
705試2266打609安
30本234点9盗 率.269
糸井嘉男 2016年(オ→神)外野手/6年
561試1766打504安
46本240点55盗 率.285
大和 2017年(神→De)内野手/7年
662試1854打458安
9本152点20盗 率.247
近藤健介 2022年(日→ソ)外野手/3年
347試1184打363安
55本200点14盗 率.307
今江敏晃 2015年(ロ→楽)内野手/4年
293試942打258安
15本89点2盗 率.274
森友哉 2022年(西→オ)捕手/3年
277試940打257安
28本124点10盗 率.273
西川龍馬 2023年(広→オ)外野手/2年
234試906打254安
12本86点15盗 率.280
山川穂高 2023年(西→ソ)内野手/2年
273試993打236安
57本161点0盗 率.238
大谷や由伸、誠也や村上らがMLB移籍をしたことで
現役選手が多いこともあり、数字的に前述した2つの時代より見劣りする。ただ、大谷翔平、鈴木誠也、吉田正尚、岡本和真、村上宗隆らトップクラスの選手は国内移籍ではなく、FAないしポスティングでのMLB移籍を目指すのが「既定路線」になった。
浅村や丸、糸井、森、近藤、山川といったタイトル経験者はいるとはいえ、FA移籍の顔ぶれが地味になった感は否めない。これは投手の顔ぶれを見ても同じことが言える。


