テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
“テレビに映らない”大谷翔平「本当にクレイジー」ロバーツ監督と“じつは親密”ボンズの前で160キロ…ただ大谷は「打席でいい仕事ができなかった」
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byNanae Suzuki,Kazuaki Nishiyama
posted2025/07/21 17:01
かつての大スラッガーであるバリー・ボンズの前で、大谷翔平は投手として実力を見せつけた
「正直、関係あるかはまだ分からないな。その日によって全然違うし、3安打の日もあれば無安打の時もある。登板当日は早打ちになっているけど、登板翌日がどうかというと、まだ傾向は見えてこないかな……」
早打ちは「Quicker」という単語を使っていた。登板翌日はここまで13打席無安打。早打ちは確かに気になっていた要素だった。
しかし心配は杞憂…技ありの一打
しかし、そんな心配も杞憂だった。2-0とドジャース2点リードの5回2死で迎えた3打席目。大谷は21年サイ・ヤング賞左腕ロビー・レイが投じた低めスライダーに体勢を崩されながらも、巧みなバットコントロールで右前に運んだ。今季登板翌日では16打席目にして初安打だった。技ありの一打でトンネルを抜けた。安打だけでなく、この日の「打者・大谷」は違った。初回はあと1メートルで本塁打の特大左飛を打ち上げ、4回は粘って四球を選び、先制のホームを踏んだ。前日は4打数無安打に終わり「悔しい思いがある。それを返せるようにしっかりアプローチしたい」との言葉通り、結果で示した。
試合後は急いでレンタカーで空港に向かい、原稿を書き上げ、空路、球宴の舞台アトランタへ向かった。4時間50分のフライトで、時差は再び3時間進む。ロサンゼルスからシカゴ(ミルウォーキー)へ、シカゴからサンフランシスコへ、そしてサンフランシスコからアトランタとアメリカ大陸を横断すること3度目。午前7時に到着したアトランタの空港を出るとムッとした空気が素肌にぶつかった。午前11時にはオールスター戦のメディアゲートがオープンし、午後には球宴前日会見が始まる。果たして仮眠を取れるのか……気温15度のサンフランシスコから35度のアトランタへ。約20度の気温差を全身で感じながら急いでホテルへ向かった。〈つづく〉

