テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
“テレビに映らない”大谷翔平「本当にクレイジー」ロバーツ監督と“じつは親密”ボンズの前で160キロ…ただ大谷は「打席でいい仕事ができなかった」
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byNanae Suzuki,Kazuaki Nishiyama
posted2025/07/21 17:01
かつての大スラッガーであるバリー・ボンズの前で、大谷翔平は投手として実力を見せつけた
「今日はストレートでいけそうな雰囲気があったのでどんどん投げました。そうじゃないときは変化球でしっかりカウントも空振りも取れる。どちらを選択してもいけるというのが理想的だと思う。今日は真っすぐ多めを選んだという感じかなと思います」
「速い球を投げることは、小さい頃から憧れていました。速いスピードで投げるピッチャーが好きだった。そこを求めてやってきた。今はそこももちろん好きですし、変化球を投げる楽しみというか、崩す楽しみも年齢を重ねるごとに増えてきているかなと思う。“100マイルだけ”を投げるんじゃなく、“100マイルも”投げられるというのが今の武器じゃないかなと思います」
この日だからこそ聞かなければいけない「小さな頃から憧れの存在であったはずのバリー・ボンズの前でプレーしたことについて」は別の記者が聞いたが、「単純に今日は打席ではいい仕事ができなかったので、そこに対しては悔しい思いがあります。また明日それを返せるように打席の中でしっかりアプローチしたいと思っています」という答えが返ってきた。チームを勝利に導くための投打二刀流。打席では満足のいく結果が残せなかったことが心残りのようだった。
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私は日本メディアの大トリで「連敗中の登板で重圧もあったと思いますが、どういう気持ち、準備で試合に臨んだことが結果につながったと思いますか?」と聞いた。
「いつもそうですけど、先制点を与えないというのが一番先発ピッチャーのやることなので、その中で長いイニングを投げていくということでいうと、いい立ち上がりだった。初回の立ち上がりも良かったですし、打線には自分の打席に集中してもらえるような投球をしたいなと思っていた。いい3イニングだったと思います」
3日後に迫った球宴日恒例のレッドカーペットについて聞こうか迷っていたこともあり、ややまとまりのない“重複感”のある質問になってしまった。他社の記者からも「レコーダーを聞き直すと質問の声に迷いが感じられたよ」と笑われたが、その通りだった。何年経っても質問することは難しい。大谷の快投に沸くファンの声をSNSで追いながら、反省を繰り返した。
登板翌日に打てていない理由をロバーツに聞くと
《7月13日vsジャイアンツ(オラクル・パーク)◯5-2》
2日連続の午後1時5分開始のデーゲーム。大谷の登板翌日とあってこの質問は避けられず、ロバーツ監督にぶつけた。
「登板日だけでなく登板翌日の大谷選手は打撃で結果が出ない傾向が続いているが、どういう印象を持っていますか?」
すると、ロバーツ監督は間髪入れず素直に印象を口にした。

