Sports Graphic NumberBACK NUMBER
「サッカー選手なので、タイトルをとることは目標です。ただ…」遠藤航が抱く人生の目的。38歳になったときに一緒にプレーしたい選手とは?
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
posted2024/09/06 11:00
リバプールの入団会見時に笑顔を見せる遠藤航
しかし、移籍の交渉はスムーズに進んだ。もちろん、そこには理由があった。
30歳という年齢を考慮されたのはもちろんだったが、それまでのクラブに対する献身と貢献度の高さが評価され、リバプールへの移籍が容認されたのだ。シュツットガルトのセバスティアン・ヘーネス監督も当時、こう話していた。
「選手側の立場というものがある。遠藤は30歳という年齢でプレミアリーグのリバプールに加入するチャンスを得た。よく知られているように、彼はインタビューでも『プレミアリーグに挑戦することが目的だ』と語っていた。だから、残留するように説得しようとも考えなかった」
プレミアリーグでプレーしたいという強い想いを抱き続けながらも、同世代の選手が10代で海外に渡っているのを横目で見ながら、遠藤は25歳まで日本でプレーしていた。あの時点では、想いを叶えるのは難しいだろうと多くの人が感じていたかもしれない。
しかし遠藤は、渡欧から5年で世界最高峰のプレミアリーグにたどり着いた。しかも、中堅クラブでもなく、名門リバプールの一員として。そして、シーズンが進むにつれて存在感を発揮して、移籍初年度にして中心選手としての立場をつかみ、リーグカップ優勝にも貢献した。
「うさぎと亀」の童話に出てくるようなキャリアは、多くの人にとっての希望
サッカー界の常識から見れば遅咲きの選手であったとしても、しっかりと地に足をつけて取り組んでいれば、何歳になっても目的は叶えられることを示す成功例になった。日本人プロサッカー選手の多くが、海外でプレーすることに強い想いを抱く今、「うさぎと亀」の童話に出てくるような遠藤のキャリアは、多くの日本人選手にとっての希望となっている。
では、目的を果たしたことで、遠藤のサッカー選手としてのキャリアはもうクライマックスを迎えたのだろうか。
そうではない。
目的に向かって歩き続けてきたことで、手にした新たな目的があるという。
「サッカー選手なので、タイトルをとることは目標です。ただ、家族を幸せにしたいし、家族のためにプレーするのが今の自分にとっては大事なことなのです」
新たな目的となるのは、家族を幸せにすること。
ともすれば、些細なことに見えるかもしれない。だが、家族の幸せを願う気持ちには終わりも限界もない。その想いはいつまでも続いていく尊いものだ。だから、ベテランと言われる31歳になっても、遠藤は彼の人生の目的に向かって走り続けていくはずだ。
実は、その目的に向けた過程の一つとして、遠藤は秘かにこんな希望を抱いているという。
「僕が38歳になったとき、長男は18歳です。もしかしたら彼もプロになっているかもしれないので、一緒にプレーしたいですね」
アクサ生命はライフマネジメント®で、すべての人の人生の目的を応援します。
~あなたの“人生で大切なもの”を、ともに探し、叶え、守り続ける~
アクサ生命のライフマネジメント®はコチラから
※ライフマネジメント®はアクサ生命保険株式会社の登録商標です。