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【F1復帰】「ぜひまたホンダと…」ラブコール実ったアストンマーティン・ウィットマーシュCEOが10年も“想い続けた”理由とは 

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尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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posted2023/05/26 11:00

【F1復帰】「ぜひまたホンダと…」ラブコール実ったアストンマーティン・ウィットマーシュCEOが10年も“想い続けた”理由とは<Number Web> photograph by HONDA

5月24日のF1復帰会見に登壇したウィットマーシュCEO(右端)。他の登壇者は左からHRCの渡辺社長、ホンダの三部社長、アストンマーティン会長のストロール氏

 じつはデニスは、マクラーレンがホンダと組むことに最後まで反対していた人物だった。ウィットマーシュが去った後、ホンダがマクラーレンとの関係をうまく構築できなかったのは、PUのパフォーマンスだけが要因ではなかったことは、このことからも容易に想像がつく。

 マクラーレンとホンダの関係はわずか3年、2017年限りで終了。それを最も悔しがったのはウィットマーシュだった。

「この世界でパフォーマンスを上げていくには1〜2年はかかる。しかし、ロンは性急に成果を求めすぎた。組織のマネージメントというのは人をいかに動かすかが大事だが、ロンは尻を叩いて無理やり動かそうとしていた。そんな状況では、ホンダの力を引き出せるわけがなかった」

信じるに値するホンダの「レース文化」

 ホンダ・エンジンとともに黄金時代を築いた1989年からマクラーレンで仕事をしていたウィットマーシュは、ホンダの企業哲学、そして日本人の性格を熟知していた。

「ホンダには独特の文化があった。フェラーリを除けば、他のどの自動車メーカーよりもレース文化が根付いていた。当時はホンダ(本田宗一郎)さんがご存命だったことも大きかったと思う。その後も彼らはそのレース文化を大切にしてきた」

 2014年にマクラーレンを離れ、2021年にアストンマーティンでF1に復帰してからも、ウィットマーシュのホンダへの眼差しは変わらなかった。今シーズンここまで好調なアストンマーティンだが、搭載しているのはメルセデスのカスタマー仕様のPU。王者であるレッドブルを倒すには、ワークスのPUが必要だった。その思いが、いま結実した。

 2013年以来10年ぶりに、同じ場所で記者会見に臨んだウィットマーシュは、こう語った。

「10年前私はホンダと契約を結んだ当事者です。しかし、残念ながら私はホンダがマクラーレンとともにF1に復帰したときにはチームにはいませんでした。マクラーレンを離れてからも、私はまたぜひホンダとやりたいと思い、この数カ月間奔走しました。それだけに東京を再び訪れ、こうしてホンダとともに発表会を行うことができて本当に光栄です」

 ウィットマーシュの期待に応えられるか。ホンダに課せられたプレッシャーは、10年前よりも重い。

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